身体能力と意識

1月も中旬を過ぎ、プロ野球界からは合同自主トレの情報を数多く目にする季節となりました。そして、昨年秋のドラフトで入団した新人選手は、所属球団主催の体力測定自主トレに参加し、2月のキャンプインに向けて頑張っている様です。そんな中、連休明けの2日間で目にした記事を2つご紹介します。

まずは、読売ジャイアンツの重信慎之介選手(外野手 = 早大)。50メートル走のタイムが5秒7といわれる俊足ぶりが強調されていましたが、3000mの持久走でも11分55秒の好タイムで15選手中2位に入ったのだそうです。ちなみに、巨人の新人記録は1986年の桑田真澄選手10分35秒だったのだとか。重信選手の走りを見守ったトレーニングコーチも「走り方もバランスがよい」と高評価を与えたそうです。

shigenobu

続いて、楽天ドラフト1位のオコエ瑠偉選手(外野手 = 関東第一)。仙台大で体力測定に臨み、「BIODEX」と呼ばれる機械で足の筋力バランスを測定したところ、突出した数値ではなく、筋力の強さは問題のないレベルだったそうです。この記事を読み続けていくと、過去に身体能力の測定結果でチーム1位を記録した経験がないことに加え、50メートル走のベストタイムは5秒96だが「平均で6秒2ぐらい。高校に入った時は6秒8とかでした。そんなに速くないんですよ。他の数値もU-18では平均以下でした」と書かれていました。
昨年、センター前ヒットを二塁打にしてしまうプレーを観て、「オコエ = 日本人離れの身体能力の高さ」という印象は少なからずありましたが、高い技術と意識によるものだった様です。本人曰く、

「無駄のないベースランニングに、次の塁を狙う集中力。シニア時代から、前傾せず背筋を伸ばすランニングフォームを徹底してきた」

という言葉から、身体能力を高めるだけでなく、高い走塁意識も必要なんだと感じた次第です。

okoe

そういえば、フォルコンズもこの週末はグランド開きの後、恒例の「測定会」を行いました。2年前に卒団したOB2選手の走りを観て、フォームバランスの大切さと体のしなやかさを痛感しました。

拙も負けじと、50m走とベースランニングに今年も挑戦しましたが、2日たった今も太モモがかなりヤバイことになっています…

カテゴリー: 今日の独り言 | 身体能力と意識 はコメントを受け付けていません

本塁クロスプレイ2

プロ、アマ合同の規則委員会が8日、都内で開かれ、本塁での危険な衝突を避けるための規定が公認野球規則に追加されることになりました。
昨年の米国でのルール改正に沿った変更で、

「得点しようとしている走者は最初から捕手に接触しようとして、または避けられたにもかかわらず最初から接触をもくろんで走路から外れることはできない…」
「捕手がボールを持たずに得点しようとしている走者の走路をブロックすることはできない…」

などが明記されるそうです。アマはすでに内規として取り入れており、プロ野球では12球団に説明の後、運用の詳細を公表する段取りとなります。キャッチャーの走路妨害を防ぐことが目的の様に見受けられますが、正しいブロックを促すことで、不当なタックルをなくそうという思惑が読み取れます。

キャッチャーの走路妨害を説明した投稿(←ココをクリック)もご覧になってみてください】

そもそも、MLBがこの様な規定を設けたのには理由があります。そのキッカケとなったプレーが、こちらです。

メジャーリーグでは、2011年5月26日に、前年の新人王バスター・ポージー選手が本塁上でスコット・カズンズ選手のタックルを受けて左下腿の腓骨骨折と左足首靱帯断裂の重症を負いました。
この怪我の直後、ポージー選手の代理人がルール変更を主張したり、ジャイアンツファンがカズンズを脅迫したりしたことで大きな話題となりました。そのため、直後にメジャーリーグ公式ホームページによって緊急アンケートが採られ、カズンズはクリーンなプレーをしたという投票が60%前後だったそうです。また、ポージーの同僚コディ・ロス選手は、彼が離脱したことは残念だとしながらも、以前スライディングをして足を入れた際に捕手にブロックで膝を落とされて大怪我をしたことに触れ、捕手が走路にいるなら当たりに行く方を好む旨を述べています。
ただし、日米で考え方の違いがあります。例えば、アメリカではクロスプレイ時に捕手は必ずマスクつけているが日本ではマスクを外す指導がなされています。

もう一つ、日本のプロ野球での例をを挙げてみます。

このシーンでは、捕手の小田選手は明らかに返球が届く前に、走者ガイエル選手の走路を塞いでいます。今回のルール改正によってタックルが禁止になると、守備側が有利になるとも受け取れるかもしれません。

本塁クロスプレー1

しかし、走者はキャッチャーに体当たりすることが目的ではなく、セーフになるために必死に本塁を狙って滑り込みます。学童においては、キャッチャー自身も返球が自分のところに来るのが判るまで、その場に立ちすくんだままの選手はまだまだ多いです。返球を待つ場合の立ち位置については、この時期に改めて徹底する必要がありそうです。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

カテゴリー: 野球のルール | 本塁クロスプレイ2 はコメントを受け付けていません