本塁クロスプレー3

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昨晩、CATVで高校野球明治神宮大会の録画放送をやっていまして、止めれば良いのに試合終了まで観続けてしまいました…
日大三高vs.日本航空石川戦の9回裏、日本航空石川のライト前ヒットからクロスプレーとなりランナーとキャッチャーが衝突してしまいます。キャッチャーの齊藤選手は倒れ込み、 担架で搬送される事態に至ってしまいました。判定はボールがこぼれ落ち一旦セーフとなるのですが、日大三高側の抗議により審判団が協議を行い、ランナーの守備妨害が適用されました。その後、搬送先の病院で、右腕の外傷性打撲で全治約2週間と診断されました。実際のプレイは、こちらの動画で確認できます。

ネット上には様々な意見が飛び交っている様です。攻撃側の日本航空石川・中村隆監督は、「本当に申し訳なかった。お詫びするしかない。あのクロスプレーはフェアプレーではなかった。もう少しそういったところをチームとして徹底していかないと」とコメントしています。
ただ個人的な見解ですが、ランナーはキャッチャーがブロック行為に来ることを想定してなかった様に見えました。ですので、そもそも故意の走塁ではないと感じます。それに対し、キャッチャーの行為はブロックをしに行ってます。キャッチャーは確実にアウトにしに行った上での行為で、ランナーは一番速いスライディングを選択した結果による衝突と考えました。スライディングすべきタイミングは、もっと手前からであるべきかなとは思います。キャッチャーが負傷したという痛ましい結果になり、ランナーに非がある見方が大勢を占めていますが、制止映像ではホームベースを完全に隠してますので、捕手による走塁妨害という意見があっても良いと感じます。
それでは、本塁での衝突プレイに関するルールを整理しておきます。こちらについては、2016年より公認野球規則で明確化されました

【公認野球規則6.01 『妨害』 (i)本塁での衝突プレイ】
(1)得点しようとしている走者は、最初から捕手または本塁のカバーに来た野手(投手を含む、以下「野手」という)に接触しようとして、または避けられたにも関わらず最初から接触をもくろんで走路から外れることはできない。もし得点しようとした走者が最初から捕手または野手に接触しようとしたと審判員が判断すれば、捕手または野手がボールを保持していたかどうかに関係なく、審判員はその走者にアウトを宣告する。その場合、ボールデッドとなって、全ての他の走者は接触が起きたときに占有していた塁(最後に触れていた塁)に戻らなければならない。走者が正しく本塁に滑り込んでいた場合には、本項に違反したとはみなされない。
【原注】
走者が触塁の努力を怠って、肩を下げたり、手、肘または腕を使って押したりする行為は、本項に違反して最初から捕手または野手と接触するために、または避けられたにもかかわらず最初から接触をもくろんで走路を外れたとみなされる。走者が塁に滑り込んだ場合、足からのスライディングであれば、走者の尻および脚が捕手または野手に触れる前に先に地面に落ちた時、またヘッドスライディングであれば、捕手または野手と接触する前に走者の身体が先に地面に落ちた時は、正しいスライディングとみなされる。捕手または野手が走者の走路をブロックした場合は、本項に違反して走者が避けられたにもかかわらず接触をもくろんだということを考える必要はない。
(2)捕手がボールを持たずに得点しようとしている走者の走路をブロックすることはできない。もし捕手がボールを持たずに走者の走路をブロックしたと審判員が判断した場合、審判員はその走者にセーフを宣告する。前記に関わらず、捕手が送球を実際に守備しようとして走者の走路を塞ぐ結果になった場合(たとえば、送球の方向、軌道、バウンドに反応して動いたような場合)には、本項に違反したとはみなされない。また、走者がスライディングすることで捕手との接触を避けられたならば、ボールを持たない捕手が本項に違反したとはみなされない。
本塁でのフォースプレイには、本項を適用しない。
【原注】
捕手が、ボールを持たずに本塁をブロックするか(または実際に送球を守備しようとしていない時)、および得点しようとしている走者の走塁を邪魔するか、阻害した場合を除いて、捕手は本項に違反したとはみなされない。審判員が、捕手が本塁をブロックしたかどうかに関係なく、走者はアウトを宣告されていたであろうと判断すれば、捕手が走者の走塁を邪魔または阻害したとはみなされない。また、捕手は、滑り込んでくる走者に触球する時には不必要かつ激しい接触(たとえば膝、レガース、肘または前腕を使って接触を目論む)をする捕手はリーグ会長の制裁の対象となる。
【注】
我が国では、本項の(1)(2)ともに、所属する団体の規定に従う。

本塁クロスプレイについては、ランナーによるキャッチャーへの接触プレイが大きな問題となり、ルール改正に至りました。

本塁クロスプレー2

新ルール適用から2シーズンが経過し、コリジョンルールという言葉もかなり浸透してきました。
今一度、ルールの内容を見直したいと感じた、今回のプレイでした…

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ハーフスイング

この記事の所要時間: 24

2017年のプロ野球日本シリーズは、激闘の末、福岡ソフトバンクホークスのサヨナラ勝ちによって幕を閉じました。
微妙な判定を巡り、ビデオ判定に持ち込まれ、アウトからセーフに覆るシーンも記憶に新しいと思います。
今回は、ハーフスイングについて考えてみます。一般的には、投球後にバットを振る動作を途中で止めることをハーフスイングと表現します。英語では “checked swing” と呼ばれてきましたが、近年では “Half Swing” に改められる傾向だそうです。さて、日本シリーズでも観られたハーフスイングですが、スイング・ノースイングのどちらに見えるでしょうか?

公認野球規則では、ハーフスイングが空振り(スイング)になるかどうか、またどこまでバットを振ったら空振りとなるかといったことに対する明確な定義はありません。そのため、空振りがあったか否かの判定は、審判に委ねられています。統計上、打者の手首が返っていればスイング(ストライク)とされている様ですが、それでも手首が捻った程度でハーフスイングを取る判定や、手首が明らかに返っていてもスイングを取らない判定もあり、最終的には個々の審判の判断に委ねられているのが実情です。
球審はストライクかボールかを判定しますが、ハーフスイングの場合には塁審に対しスイングしたかどうかの判定を委ねることができます。また、ハーフスイングの際に球審が「振っていない」と判断しボールを宣告した場合に限り、捕手または守備側の監督によって、塁審にアドバイスを求めるよう球審に要請することができます。もし、この要請を受けた場合、球審は塁審にその裁定を確認(一任)しなければなりません。
左打者の場合は3塁塁審右打者の場合は1塁塁審がその担当を担います。それぞれの塁審は、打者が振ったと判断すればアウトと同様の右拳を上げるジェスチャーを行い「イエススイング」または「Yes, he went」と宣告し、振っていないと判断すれば両手を水平に広げセーフと同様のジェスチャーを行い「ノースイング」または「No, he didn’t go」と宣告します。なお、この間はボールインプレイのままですので、ボールを持っている選手、特にキャッチャーは塁審のジャッジだけでなく、ランナーの動きにも注意を払う必要がありますね。

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