3フィートの怪

今回は、前置きなしに、まずこちらの動画からご覧ください。(特に26秒後あたりから、注視してください)

ルールを知っている方なら、球審のジャッジに疑問を抱かれたはずです。
なぜ、3塁ランナーがセーフになったのか、拙もすぐには判りませんでした。そして、何度も見直しました。
まず、野手は「ボールを持ってランナーにタッグ(タッチ)しようとする時」や「打球や送球を処理する時」を除き、走者のために走路を譲らなければならない決まりがあります。これに反して、走者の走塁を妨げると、走塁妨害(オブストラクション)が適用されます。「打球や送球を処理する時」とは、打球や送球が野手に向かってきていて、これを捕球しようとするための動作、もしくはボールをつかんで他の野手に送球し終わるまでの動作を意味します。

この動画では、走路からの3フィートオーバーが起きました。しかし、ランナーがアウトになることはありませんでした。
なぜでしょうか? 実は、3塁ランナーである嶋選手に対して、「触球(タッチ)を避けようとしたわけではない」とジャッジされたのです。ランナーが3フィートオーバーした時、触球(タッチ)をしたいキャッチャーに注目すると、まだボールを受け取っていないことが判ります。嶋選手は、ボールを処理しようとしているところを避けるために、本来の走路から外れて走った(すり抜けた)のです。
触球(タッチ)を避けようとした場合は、3フィートオーバーとなります。しかし、目の前の選手がボールを持っていない、このケースにおいては3フィートオーバーにはなりません

この動画を通じて、「3フィートをオーバーしても良い場合がある」ことを知っておきましょう! まぁ、よくよく考えてみれば、1塁から2塁へ向かう時、バッターランナーは1塁と2塁を直線で結んだ線より、かなりライト側に膨らみながら走り抜けますよね? これが3フィートオーバーで、アウトにはなることはありません。今回の様なケースで、この審判は素晴らしい判断をされました。

ところで、オブストラクションと共に「妨害」として扱われる、インターフェアについては、別の機会にまとめてみます…

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達人からの教え(投手編)

試合でミスをしたり、目指すプレーができなかった時、どうしたら次につなげられるかを、冷静に分析したり自ら整理をすることは、小学生にとって普段の勉強以上に大変な作業の様です。楽しさだけを追及している内は気が付かなくても、次という試合(目標)に向かう際、同じことを繰り返す様な、数をこなすことが良いなのか、時間が掛かっても根本的に間違ってことを正すのかを考え始めた時点で、そのいずれも根気のいる作業に様変わりします。その結果、野球に対して重たい存在と感じる選手が少々現れても、なんら不思議な事ではありません。
小学校高学年ともなれば色々な言葉を覚え、また大人からの叱責に対しても防御策をいつのまにか身に着けてきます。グランドにいる大人は、彼らにとって親戚の次に親しい部類に入るでしょうから、つい最近知った言葉や表現を試しに使っているだけかもしれません。そんな立派な言い訳が完成できる分だけ、人間としての成長を感じる瞬間ではありますが、男としての経験や後悔の念から、アドバイスを送ったとしても、どれだけ彼らに届いているのかは判りません。でも、それを真摯に受け止められず、あとから色々なことに気が付いた時、アスリート人生としては、多分遅い年齢に達しているのが殆どなのだと思います。大抵の親子なんて、その繰り返しなんでしょうが…
そんな訳で、MLBで活躍するダルビッシュ有投手のプライベート映像より学んでみます。ストイックというか、こういう人が達人呼ばれる所以なのだと、素直に感じました。

この動画は、毎日でも繰り返し観てほしいところですが、それは土台無理な話なので、普段の生活から誰か参考になる人はいませんかね? コーチは、基本週末しか会えませんしね。
あっ、とっておきの見本がいるじゃないですか! お母さんですよ。
ほとんどの家庭では、お母さんが毎日食事を作り、掃除をし、洗濯をし、お風呂を入れる。もし、次の日に向けた準備の時間が足りなければ、寝る間も惜しまない…
毎日毎日同じことを続ける姿は、学校の宿題に塾の勉強、さらには自主練で掲げたノルマをこなす事へ億劫になりがちな彼らにとって、一番のお手本の様な気がします…

生涯、背中で語り続けたいと夢見る男親としては、星一徹のマネごとはできても、母親の存在には所詮敵いません。インタビューなどで、お母さんに対して感謝の意を述べる選手を多く見掛けますが、単なる偶然ではない気がします。その選手達が育った環境に、母子家庭という共通点はありませんでした。母親の姿をアスリートの達人と重ね合わせ、精進を続けた結果の様な気がします。

まぁ、拙の家は平日母子家庭なんですけどね。 お後が宜しい様で…

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