現代版「星一徹」

一昨日、楽天のゴールデンルーキーである、松井祐樹投手がプロ初勝利をあげました。先発と違い、いつマウンドに上がるかが判らない中継ぎの方が、余計なことを考えずに、思い切り投げられるのかもしれませんね。とはいえ、楽天がリードしている5回2死ランナー1・2塁からの登板でしたので、あと1アウト取れば勝ち投手の権利を得るはずだった、「割の合わない」投手がいたのも事実です。それが誰だったのか、気になったので調べてみました。
彼は、宮川 将投手といい、2012年育成ドラフト1位で入団した選手です。同期には、あの則本投手がいます。育成ドラフトですから、入団当時は背番号も3桁だったのですが、昨シーズン2軍で実績をあげ、6月に支配下選手登録をされた後、1軍に昇格し初勝利をあげています。育成選手として入団した選手が1年目に一軍公式戦で勝利投手となったのは、彼が初めてなんだそうです。
今回は、その彼にまつわる動画を紹介します。小学校5年生の時に両親が離婚をし、兄妹離れ離れになったのですが、彼を引き取った父親が息子のプロ入りのために全てを捧げるというドキュメンタリー番組です。

拙は、「巨人の星」というアニメをオンタイムで観た世代ではありません。再々々放送の年齢です(爆) 今でも、ちゃぶ台をひっくり返して、息子の頬を叩くというシーンが時々TVで流れますが、子供の頃から普通に受け入れてました。まぁ、拙が子供の頃は、廊下に立たされたり、叩かれたり、おっかない大人が周りに沢山いた時代です。星一徹と比較すると、宮川投手のお父さんはその現代バージョンです。とても真似のできることではありませんが、親子二人三脚で夢を叶えたのですから、1年でも多くプロでプレーを続けてほしいですね。

早いもので、あと1週間ちょっとで6年生最後の連盟大会が幕を開けます。彼らの野球も、親とコーチ達との二人三脚です。高校球児ではないですが、思いきったプレーで、1週でも長い大会にしてもらいましょう!

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走と投(Part1)

先日の予告と反し、別の話題に触れます。
実は、1週間程前に「侍ジャパンU12代表 全日本合同トライアウト 〜デジタルチャレンジ〜」の案内が、ネットに掲載されていました。

これは、12歳以下の小学生で構成される、侍ジャパンU12のメンバーをネットで公募するということなんですが、代表に選ばれると8月27日からフィリピンで開催されるBFA12Uアジア選手権へ出場するそうです。面白いのは、対象選手が学童軟式野球をやってる選手であることです。普通なら、リトルリーグなどの硬式野球選手から選出されてもよいはずなのに、なぜか軟式野球

応募資格は、この様になっています。
公益財団法人全日本軟式野球連盟登録チームの選手。
日本国籍を有する12歳以下の小学生で、以下の項目の中で1つ以上クリアしていることを条件とする。

その項目というのが、合格基準がとてつもなく高いことに驚かされます。

1. 50m走7.3秒以下
2.球速115KM/h以上
3.遠投70m以上
4.特筆すべき技能を持っていること

これって、ドラフト候補選手の相対基準に、かなり酷似しているのは気のせいでしょうか?

1. 50m走6秒以下
2.球速140KM/h以上
3.遠投120m以上
4.特筆すべき技能を持っていること(高校通算60本塁打)

おそらく6年生で合格基準をクリアすることはかなり難しいと思われます。ただ、逆に選ばれた選手がどれ程の怪物達なのか、そちらの方はもっと気になります。
面白いなと思ったのは、この選考基準に打力が含まれていないことです。上記4には補足文面があり、とんでもない飛距離を出すバッティングなどが書かれているのですが、明確にはされていません。この選考基準の並びを素直に読み取ると、走>投>捕>打、もしくは走>投>打>捕という順序で、選手の能力を数値で判断していると感じました。いかがでしょうか?
もし、今の小学生がプロ野球選手を目指すのであれば、今からでも「走と投」の2つを磨きつつ、「捕と打」を徐々に向上させるという方向で進んだ方がよいと読み取りましたし、いずれ数値に拘る必要があるとも感じました。
そこで、この数日は短時間で早く走るコツ探しをしておりました(笑) その調査結果が、これです。

自主練相手の男親としては、今は学童野球に没頭しているので、基本となる「捕と打」をおろそかにするつもりはありません。捕れない・打てないでは、外野すら守れないですし、何よりプレーしている選手自身が、「野球に参加している」という意識にはならないでしょう。プロ野球でいうところのダメ外国人の評価とあまり変わらな様な…(笑) 走・投・捕・打の基本の入り口を身に付ける場が、学童野球ですから、「捕と打」を人並みレベルに引き揚げつつ、「走と投」に対して意識を強く持ってもらえれば、中学以降で間違った方向には進まないだろうと、一人納得しているところなのです。
この考えが正しいとすると、中学・高校に進んだ時点で、「走と投」の秀でる子供達がまず選出され、次に「捕と打」の完成度でレギュラーに近づけるのだと想像します。学童野球において、強豪チームで県大会などで優勝を多く経験しても、キャリアとしては殆ど評価されない様な気がします。新入部員として横一線に並ばされた時だけは、期待を持って迎えてもらえるかもしれません。しかし、それは事前情報だけに過ぎず、すぐに忘れさられてしまうと思います。ですから、仮に中学以降でも補欠扱いに甘んじたからといって、甲子園やプロ野球選手への夢を諦めるには早計です。「走と投」を少しでも磨く意識を人一倍持ち続けられれば、いつか大舞台で9人の中に入ることができると信じますし、息子に対してもそう伝えたいと思います。

小学校高学年になると、大人がどれだけ時間を掛けたかも判らない評価結果と、選手自身が目指したゴールが一致いない場面に遭遇します。言い渡された結果への悔しさで、涙を流したり落ち込むことも増えると思います。小学生の内は、期待する評価がされなかったとしても、先を見据えて「走と投」をもっと磨いてください。そして、その数値に拘りを持ちましょう。数値は絶対的な評価であり、誰が何と言おうと全員が素直に受け入れられる結果なのですから。小学校の運動会でリレー選手だった子供達の多くは、それまで彼らに敵わなかった人達が速く走るコツを学んだことで、いつの間にか人並みの脚に成り下がってしまった姿を、学生時代に目の当たりにしています。ゴールデンエイジの最終期と言われる12歳までに、神経系の発達は完了すると言われていますが、センス筋力の発達(成長期)はこれからが本番です。「やらされている」という環境にさえならなければ、感じ方はそのスポーツを学ぶことで益々磨かれますし、これこそが自分との闘いなのだと思います。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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