心のブレ(捕球編)

今回は、捕る方に注目してみます。
先日、東京ドームで野球を観戦した際、レフトスタンドから観える外野手がどの様に構えているかを観察してました。すると、ピッチャーが投球動作に入った瞬間、軸足ではなく踏み出す方の足を前に出していました。打球への反応、いわゆる1歩目への体勢を常に考えている良いお手本だなと思い、写真に収めました。
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先日、大人の草野球(ファルコンズ)に参加する機会があり、ライトを守りました。実践してみると、確かに動きやすいと感じました。両足の膝に左右を手を置いたままですと、ライト方向への飛球が少ないということもありましたが、時間が経過とともに体の硬直を感じる様になります。バッターが打った瞬間、とにかく1歩でも2歩でも体を動かすことを、事前に決めておけばよいと思うのです。新庄剛志氏が実践した様に、バッターへの配球(インコースかアウトコースか)によって踏み出す足をどちらにするか決めるのも、集中状態を保つ上ではよいのかもしれません。

それでは、内野手のケースを考えてみます。外野手とは異なり、バッターとの距離がより近い位置で守るため、バッターがボールを打つ少し前から足が動く必要があります。次の動画では、ピッチャーのモーションに併せて(バットにボールが当たるかなり前から)、足を動かしている様子がよく判ります。

ここで、とにかく動くということに心のブレが生じると、打球への反応は間違いなく遅くなります。

次に、ボールがグローブに入るまでの間に起こる、心のブレについて考えてみます。これは、体験に基づいた実話でもあります。先日の試合で、守備に付いたライトにフライが上がり、落下点まで素早く移動をして余裕を持った捕球体制までは、自分でも完璧でした。しかし、落ちてくるボールの回転よりも、太陽のまぶしさや頭の上を舞う細かな虫が気を取られ、見事なバンザイを仕出かしてしまいました。かなり凹んだのですが、どうしてそうなったのかを冷静に考えてみました。まず、捕球体制に入った時に「オッケー」などの声を発しなかったのです。声に出すことによって、次の行動に対して心がブレることなく、しっかり捕球できるのだと感じました。声に出すことは、捕球の時のルーティン(決まり事)の様にしないといけませんね。先日のプレーは、しばらく脳裏から離れないことでしょう。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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心のブレ(送球編)

宮前区少年野球連盟(宮少連)より招集されたメンバーが計7名、一時的にチームから離れて連合メンバーとしてレギュラー争いを続けており、10月11日から始まる川崎市学童野球大会に連合の部として、川崎市の頂点を目指し試合に臨みます。
ところで、チームに残ったメンバーには、空席が7つでき、ドキドキな思いでリーグ戦に出場しています。多少のミスには目をつぶり、勝敗も気にせず、経験値を増やすことに主眼をおいて試合に臨んでいます。そんな彼らの試合でよく見られる光景として、慎重にボールを投げようとして暴投… あるいは、無我夢中に投げて暴投… 守備につく選手達のドキドキ感は常に伝わってくるのですが、そんなプレーが起こったあとにベンチスタッフの口から出てくるのは、「キャッチボールができていないからだよ」という言葉です。

キャッチボール」には、相手に投げ、相手からのボールを捕るという2つの大きな要素が含まれています。最近のグランド練習では、どちらかをテーマにして、集中的に時間を割くことも行っています。今回は、投げることに注目するのですが、まずボールを投げることにおいて、選手達がどこに目標を定めてボールを投げているのか、観察されたことはありますか?観察をした経験がなくても、一度ご自身がキャッチボールの相手をした時を想像してみてください。投げる直前に、相手のどこを狙うかを決めて投げることをしていますか?暴投を繰り返す選手達は、恐らく「えいっ」と大体の方向に投げているだけか、投げながらフォームや全く別のことを考えながら投げている選手のどちらかだと思います。
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これは、単純な話「集中状態」に入っていないだけなので、どうすれば集中状態には入れるかを理解してもらえれば解決は可能です。特にピッチャーの場合では、投げたボールがどっしり構えて待っていてくれるキャッチャーのグローブに収まるまで、しっかり見届けることが必要だと考えます。これも相手のグローブに収まる前に「集中状態」を解いてしまう(目線を切って、見届けるのを止める)と、コントロールの精度は間違いなく落ちます。自分で試すとよく判るのですが、たまたまストライクになることはあっても、コースに投げ分けられる確率がグ~ンと下がります。
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ただ、キャッチボールという練習メニューが終わるまでの間、常に集中状態に入り続けることを求めるのは、小学生にはまだ酷だと思うので、その切り替え(違い)をまず知ってもらえればと考えます。

次に、暴投ではないのですが、コントロールされたボールを投げ続けられない選手がおります。一見、地面に並行な軌道を描いた速そうなボールです。ピッチャーとしてマウンドから投げるケースも含め、彼らを観察していると、今回の本題である「心のブレ」が見え隠れします。ここで例えば、「高いところにボールを投げてしまったら、次は低く投げなければ」とか「左に逸れたから、今度はもう少し右の方に」と意識した経験はありませんか?実は、微調整を図ろうとする意識に問題の本質があります。つまり、「何が何でもあそこに投げる」という気持ちが薄いように感じます。試しに2~3m離れた距離で、相手に手のひらをみせてもらい、そこへ向かって下からボールを投げてみてください。指先とか手首とか、体の関節部分で微調整を図ろうと色気を出した時点で、コントロールだけでなく自分の心が「ブレ」たことに気が付きます。選手も「丁寧に投げなきゃ」などと余計な雑念があると、目標が「ブレ」てしまうのです。今投げたボールが狙ったところから外れたとしたら、その結果は一旦忘れて、とにかく次の送球をする前にもう一度「絶対、あそこに投げる」ことを徹底した方がよいと思うのです。そして、その気持ちを継続するのです。
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さて、「心のブレ」がなくなった選手が、マウンド(ブルペン)から3球連続して投げる機会を与えられ、全力で投げた結果1球も狙ったところに行かなかったら、どんな気持ちを抱くでしょうか?ここで、ようやく投げ方に課題がないか、素直に向き合えるのではと思います。また、50球連続して投げる機会を与えられ、最後の方で全く狙ったところに投げられなくなったら、それは技術以外の体力面や力の入り具合の課題を自覚すると思います。そのいずれも、「もっと練習しなきゃ」という必要性を彼らなりに感じてもらえるのでは思います。いわゆる「心技体」を兼ね備えていく過程で、今回取り上げた「(ブレない)心」は、学年や身体能力に関係なく、すぐに取り組むことが可能だと考える次第です。

学童野球で審判をしていると、ピッチャーがいかにストライクを沢山投げ込めるかで、試合になるかどうかが決まります。ボール(フォアボール)を連発するピッチャーに「ど真ん中でいいから」とベンチから声援を送るシーンをよく見掛けますが、「ど真ん中に投げるために、もっと必要なアドバイスがあるはず」といつも感じます。速いボールを遠くに投げることに憧れを抱く選手は、沢山いることでしょう。ピッチャーに限らず、ギリギリの捕球体制から素早い送球を求められる内野手全員に対しても、まず「絶対、あそこに投げる」という気持ちを大切にしてほしいと思います。そうすることで、自然と「集中状態」が継続するような気がします。

次回は、捕る方について考えてみます…

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