塁審の立ち位置2

2017シーズンも快調な滑り出しを魅せた広島カープですが、先日DeNAとの試合で緒方監督1塁塁審に猛抗議をし、現役時代から通じて初の退場処分となりました。そこまで激高に至らせた背景には、2度にわたる微妙な判定がありました。

まず、3点を追う7回2アウト、ランナー1・2塁の場面、ショートゴロを放ったの小窪選手が1塁に気迫のヘッドスライディングをしてみせますが、アウトと判定されました。6回にも田中選手のショートゴロも微妙なタイミングで1塁アウトと判定されます。

監督代行を務めた高ヘッドコーチが試合後に、「どちら(の判定)も誰が見ても…。監督があそこまで怒るのも仕方ない」とコメントを残したそうです。この発言に注目して、なぜ2度も続いてしまったのかを考えてみたいと思います。1塁塁審を過去チャレンジされた方は、是非そこに注目してご覧ください。

まず、ベンチにいる選手や監督、スタンドから応援する観客の見る位置は、実際に起こるプレーからかなり離れています。では、なぜプレーヤーに最も近い位置で判定する塁審が、逆のジャッジをしたのか?それは、塁審の立ち位置がベースに寄り過ぎたからだと感じました。この錯覚というのは、実際にやってみると誰でも感じる事ができます。以前も同じテーマでつぶやいているのですが、

塁審の立ち位置1

見る角度はもちろん大事ですが、今回の様にタッグプレーを伴わないフォースプレーでは、ただ近くに寄れば良いというよりは、意図的に離れて見る方が正しい判定ができると思います。

まぁ、説の独り言なんですけどね…

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アウトになったフリ

先日、こんな事を呟いたのですが…

迷いのないプレー

2016年シーズンで、こんなプレーもありました。京セラドームで開催された広島カープと読売ジャイアンツ戦、5回1アウト満塁の場面で、田中広輔選手がセカンド方向へライナー性の打球を放ちました。しかし、セカンドを守る山本泰寛選手がワンバウンドで捕球し、2塁へ送球します。1塁ランナーの小窪哲也選手は、フォースプレイでアウトになりますが、しかしショートの坂本勇人選手は、併殺プレーを狙って躊躇なく1塁へ投げるもセーフとなり、3塁ランナーの下水流昂選手がホームインしました。ここで、2塁に手から戻った選手がいます。恐らく、打球が直接捕球されると判断して2塁に帰塁したので、ここまでは普通のプレーです。しかし、石原慶幸選手はこの後驚きの行動に出ます。まるで自身がアウトになったかの様に、トボトボと3塁ベンチの方向へ進み、そのまま何食わぬ顔で3塁ベースに立ちました(笑)。解説はここまでにして、その一部始終をじっくりとご覧ください。

広島ベンチが3塁側だった事、悠々とフォースアウトになった小窪選手が2塁ベース上でしばらく佇んでいた事も重なり、石原選手には見事に騙された格好となりましたが、彼のプレーに関わった選手の立場になってみたら、2塁ランナーがフォース状態から解かれている事に、意外と気が付かないのかもしれませんね。石原選手挟殺プレーに持ち込めば、タイププレイで失った1点は戻らずとも、第3アウトは取れた訳です。でも、もしアウトになったフリを見抜かれてしまったら、そのプレーは石原選手の怠慢と評されてしまうのでしょうか? 2塁・3塁塁審も慌てず、事の行く末を見届ける必要があります。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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