ベースの踏み忘れ4

カナダのサンダーベイで行われているU-18W杯、B組2位の日本は2次リーグ初戦でオーストラリアと対戦し、見事延長戦を制しました。
この試合、1点リードの6回1アウト満塁から、レフトへの犠牲フライで同点に追いつかれた場面があるのですが、大飛球を背走しながら好捕した桜井選手から、ボールは最終的に2塁へと転送され、アウトが宣告されるというシーンがありました。1分44秒辺りからスロー映像が流れますが、是非塁ベース付近にいるランナーに注目してください。

実は、2塁ベースをいったん回った1塁走者が帰塁する際、2塁ベースを踏まずに1塁へ戻ってしまいます。以前も、プロ野球で同じ様なプレイがあった事を取り上げました。

ベースの踏み忘れ1

今回、ベースの踏み忘れに気付いたのが、この大会で三塁ベースコーチを務める米沢コーチだったそうです。ベンチから大声を張り上げて選手に知らせ、アピールプレイを促しました。
このプレイが認められた事により、3塁走者生還による得点は記録されるものの、1塁ランナーがアウトになった事で3アウトチェンジとなりました。この場合、ベースの踏み忘れは守備側からのアピールがあって、初めてアウト・セーフのジャッジができます。アピールプレイは、インプレイ中のみ有効で、投手が次の打者へ1球目を投じてしまうと、そのアピール権は消滅してしまいますし、アピールが仮に無かった場合はそのまま流されてしまいます。そのため、タッチアップによる得点と、踏み忘れた時のどちらが早いかは問われません。つまり、タイムプレイではないという事です。

タイムプレイ1

もし、米沢コーチのアシストがなければ、同点に追いつかれて、なお2アウト1・2塁のピンチが続くところでしたので、非常に大きなプレイとなりました。
これからは、ベンチにいる選手もボールの行方だけでなく、各ランナーの触塁をしっかり観察する意識を持ってほしいと思います。例えその試合に出られなくても、チームをピンチから救い、勝利に大きく貢献できるはずです。
また、我々大人が塁審として試合に参加している時は、常にランナーの動きを視野に入れる意識が求められますね…

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