打撃妨害2

この記事の所要時間: 339

先日のボーイズ公式戦では、審判員として本部運営の手伝いをしてきたのですが、捕手による打撃妨害を目の当たりにしました。捕手のミットが打者のスイングしたバットに触れるプレイを指します。

以前に、一度取り上げてはいるのですが、

打撃妨害1

改めて公認野球規則の記載を確認してみます。

【公認野球規則6.01c 『捕手の妨害』】 (旧6.08c)
捕手またはその他の野手が、打者を妨害(インターフェア)した場合、打者は走者となり、アウトにされる恐れなく、安全に1塁が与えられる。(ただし、打者が1塁に進んで、これに触れることを条件とする)
しかし、妨害にもかかわらずプレイが続けられたときには、攻撃側チームの監督は、そのプレイが終わってからただちに、妨害行為に対するペナルティの代わりに、そのプレイを生かす旨を球審に通告することができる。
ただし妨害にもかかわらず打者が安打、失策、四球、死球、その他で1塁に達し、しかも他の全走者が少なくとも1個の塁を進んだときは妨害とは関係なくプレイは続けられる。
【原注】
捕手の妨害が宣告されてもプレイが続けられたときは、そのプレイが終わってからこれを生かしたいと監督が申し出るかもしれないから、球審はそのプレイを継続させる。
打者走者が1塁を空過したり、走者が次塁を空過しても、【5.06b3付記】に規定されているように、塁に到達したものとみなされる。
監督がプレイを選ぶ場合の例。
1アウト走者3塁、打者が捕手に妨げながらも外野に飛球を打ち、捕球後3塁走者が得点した。監督は、打者アウトで得点を記録するのと、走者3塁、1塁(打者が打撃妨害により出塁)とのいずれかを選んでもよい。
0アウト走者2塁、打者は捕手に妨げながらもバントして走者を3塁に進め、自らは1塁でアウトになった。監督は0アウト走者2塁、1塁とするよりも走者3塁で1アウトとなる方を選んでもよい。

上記の野球規則記載されている、監督の選択権については、ボールデッド中に監督自ら審判へ告げる必要があります。
打撃妨害があっても、そのバッターがアウトにならなかった場合、球審はその妨害について触れる事はありません。ここで、打者と塁上の走者が1個以上進塁し、さらに2個目の進塁を試みてアウトになった打者や走者がいた場合も、妨害には触れる事はありません。そのため、打撃妨害による失策も記録されないという事になります。

それ以外のケースでは、球審はプレイが一段落したところで「打撃妨害」を宣告し、タイムをかけてボールデッドにします。球審はプレイを取り消して(走者を投球前に占有していた塁に戻して)、打者とフォースの状態にある走者に各1個の安全進塁権を与えます。つまり、塁上のランナーへの対応は、塁が詰まって進塁する走者以外は元の塁に戻す必要があるのです。繰り返しになりますが、無条件で先に進めるのは、フォース状態にあるランナーのみとなります。

それでは、フォース状態にないケースを考えてみます。1アウト3塁の場面で、打撃妨害にもかかわらず、打者走者が1塁でアウトになった場合は、どう対処すべきでしょうか?
まず、攻撃側監督は打撃妨害により1アウト1・3塁のまま試合を続行する事、打者走者が1塁でアウトになった間に3塁ランナーがホームインできたのであれば、そのプレイを活かして2アウトランナー無しとする事のいずれかを選択できます。
次の動画では、ヤンキースの監督は3塁ランナーのホームインを選択しました。

最後に、球審が打撃妨害を宣告する場合ですが、頭上で左手甲を右手で叩くジェスチャーが求められます。

監督の選択権ですが、審判が「監督さん、どうしますか?」とベンチに寄って尋ねる事はしません。ヘッドコーチやスコアラーと確認しながら、試合展開・次打者の打順を観ながら、その後の攻撃に繋がる判断が短時間で求められます。また、特にアクションを起こさなかった場合は、その選択権は放棄したとみなされ、プレイが再開します。

カテゴリー: 野球のルール, 公認審判員への道 パーマリンク