打撃妨害1

昨日の新人戦で、主審を務めました。冷静に考えたら、連盟主催の公式戦で主審というのは、2回目でした。しかも、(5年生以下とはいえ)Aチームの試合は、初の大役でした。通常ですと、審判部が集合したその場で当日の担当が決まるのですが、今回は3会場に分かれての試合進行ということもあり、予め割り当てが発表されました。そのお蔭で、いつも以上の覚悟を持って「予習・復習」を励んだ拙でありました…

さて、担当した試合で初めて「打撃妨害」というプレーに遭遇しました。しかも、1試合で2回です。
その瞬間の映像はありませんので、甲子園バージョンでご確認下さい。

打撃妨害が宣告されるケースなのですが、今回の様に「打者のバットが捕手のミットに触れる」というプレーが一般的です。しかし、次のようなプレーに対しても、同様の判定が下されます。

– 捕手の手や腕がが打者に触れた場合
– ミット以外の捕手が身に着けている道具類に触れた場合
– ボールを持たずに、本塁上または本塁より前に出てきた
– 打者が打つ前に、捕手または野手が投球を本塁上または本塁より前で捕球した

ところで、打撃妨害が起きてしまった場合、どの様な判定がされるのかについて、大きく2つのケースにまとめてみます。

(1)打撃妨害が発生した後にも、プレ-が継続した場合
捕手のミットにバットが触れながら、打者のバットにボールが当たり、プレーが継続した場合は、そのプレーが一段落したところで「タイム」が宣告されます。打者が安打、失策、四球、死球、その他のプレーで一塁に達し、塁上にいる全ての走者も一個以上の進塁ができた時は、妨害とは関係なくプレーが継続されます。全ての打者と走者が一個以上進塁し、さらに進塁しようとしてアウトになった打者や走者がいたとしても同様です。
そうでない場合、つまり打者にとって不利な結果を招いた場合(打者がアウトになるか、少なくとも一人の走者が進塁できなかった時)は、攻撃側の監督がそのプレーを活かすか、守備側に打撃妨害のペナルティを課すかの選択ができます。攻撃側の監督は、主審に選択権を尋ねられたら直ちに答えなければならず、また思い返しての取り消しは認められません。

(2)打撃妨害が発生した後、プレ-が継続しなかった場合
「打撃妨害」と宣告し、タイムをかけてボールデットにします。
打者へは、一塁への向かうように指示されます。この時、一塁にランナーがいた場合は、押し出される格好で二塁に進みます。
二塁もしくは三塁にランナーがいて一塁にはいなかった場合、ランナー満塁として試合再開となります。塁上のランナー全てに進塁する権利までは与えてもらえません。ただし、このプレーと同時に盗塁を仕掛けていた場合は、その進塁が認められます。
ここで、三塁走者がスクイズプレイまたは本塁への盗塁を試みたのを観て、捕手がボールを持たずに本塁上または本塁より前に出てきてしまった場合を考えてみます。まず、投手にボークが課され、塁上の全走者に一個の進塁権を与えてしまいます。さらに、打撃妨害も宣告され、打者にも一塁進塁が与えられます。この時もボールデットになります。
ただし、投手が投手板(プレート)を外して捕手に送球した場合は、捕手が本塁上に出てきて捕球することは、正しい守備行為とみなされます。

捕手の構える位置については、小声で注意をしているのですが、特に一塁にランナーがいる場合は二塁への送球を急ぐあまり、ミットも体も、つい前に前に出てきてしまう様です。新人戦の勝ち負けも確かに重要ですが、この冬で成長を遂げる来春以降の彼らに期待しています。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

カテゴリー: 野球のルール, 公認審判員への道 パーマリンク