原点回帰4

前回に引き続き、原点回帰というテーマで呟いてみようかと思います。

原点回帰3

MBS毎日放送テレビ制作の「戦え!スポーツ内閣」というスポーツバラエティ番組をご存知でしょうか? 関東ローカルでは放送されないため、YouTubeでアップされた動画を通じて、その番組の存在を知る事になりました。番組内では、国会の本会議場になぞらえて、出演者の座席の前に氏名と肩書(「☓☓大臣」)付きで紹介される新旧アスリートをゲストに迎え、毎回1つの種目をテーマに出演者による討論や建設的な提言を導き出すという番組構成です。つい先日、野球をテーマに落合博満氏をゲストに迎えた放送回が非常に面白かったので、ご紹介します。

幾つかの興味深いテーマに触れていますが、その中で個人的には11分54秒辺りから触れる、阪神タイガース藤浪晋太郎投手に関する討論が印象に残りました。この3シーズン、不調に陥っている藤浪投手に対して、落合氏は金本監督との新春対談でも別の切り口で原因を語っています。

落合氏
あれ(藤浪の不振)はランニング不足。下半身が弱いと思う。コントロールのいい投手は、やっぱり走る。だから昔の投手がね、たとえば今50歳や60歳になった人にね、キャンプの時に人がいないから、ちょっと投げてくれよと言って投げてもらうでしょう?乱れないもんね、1時間半投げても。ボールを投げることが終わってから10年、20年たっていても下半身が乱れることがない。それは体が覚えているんだろう。自分に今、生きていくために必要なものを彼は早いうちからやらないと、このまま終わる気がする。死ぬまで…じゃないけど、それくらいの覚悟をして、やらないと。もうちょっと下半身をいじめないといけないんじゃないの?
だから投げ方を完全に忘れさせるほど走らせないとダメだと思う。下半身を作らないと。投げる体力がないと思う。だから、どこかしら逃げている部分があるのではないかということを、俺は否定しない。たとえば俺が監督をやっている時、キャンプで陸上競技場に行ったら、みんな嫌な顔をする。設定が高くなるからね。たとえば10本を走らないといけないとする。その時、いつも“コイツの持ちタイムはいくつ?”と聞くんだ。それで“平均○秒です”となれば、そこから3秒くらい短縮してこないと1本とは数えないと言えば、彼らはちゃんと3〜4秒切ってくるからね。ということは手を抜いて走っているんだよ、ということになっちゃう。
金本監督
まったく同じですね。(たとえば)鈍足の太った投手と藤浪が同じタイムなんです。おかしいだろう、と。藤浪は足が速いんですよ。でもタイムが同じなんで、藤浪は200メートルを涼しい顔をして走っているんです。片や太っている方は死にそうな顔をしているんです。だから“タイムを変えろ”と言ったんです。

この対談内容を記憶していたせいか、つい先日読売ジャイアンツ菅野智之投手を取り上げた記事を見た時、同じ内容の練習で生じた意識の差が、最終的には成績の違いとなっている様な気がしました。下記はその抜粋です。

150キロを超すストレートと多彩な変化球。すべてが高次元のボールで、それをコーナーに投げ分ける。投手としての能力は、疑う余地がない。でも、ルーキー時代から彼を撮影してきていつも惹かれるのは、その真っ直ぐな眼差しだ。
日々の積み重ねの中にこそ、成長はあると菅野は信じる。だから、全力を尽くす。ランニングでは、コーチの設定より速いタイムを自分に課して取り組む。巨人の伊藤博トレーニングコーチはこう証言する。「練習の意図、自分にとって何が必要なのか、どうすれば効果が上がるのかを常に考えているし、手を抜かない。意識の高さは投手陣の中で間違いなくナンバーワン」。
自宅に帰ってからもボールを握り、感覚を養う。ベッドにあおむけになり、投球のイメージを膨らませながらボールを投げ上げているうちに力が入り、天井に穴を開けてしまったこともある。

息子の所属するボーイズチームの監督さんが選手達に、こう仰ったそうです。

「一日24時間という決められた時間をどう過ごすか」

これからの季節は、各大会・公式戦の消化が続いていきますが、目先の結果だけに囚われず、その先の飛躍に向けて日々努力を積み重ねてほしいと思います。

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原点回帰3

NHK BSで放映されている「奇跡のレッスン」で、野球をテーマにした番組が放映されました。前回は、小学生を対象にした内容でしたが、

原点回帰1

今回は中学生硬式野球でピッチャーを目指す選手達に、MLB通算303勝を挙げたランディー・ジョンソン氏が特別講師として、レッスンにやって来ました。

テクニカルなレッスンを多少なりと期待したところがあったのですが、意外にも基本に忠実で、教える内容は極めてシンプルなものでした。
ランディー・ジョンソン氏は、MLB3シーズン目から2桁勝利を挙げていますが、四死球の多い投手だった様です。番組の中で紹介されていますが、ノーラン・ライアンから教えを受け、制球力が向上したのは6シーズン目でした。

制球難を克服するために意識した事は、次の4点です。

ー 投げる前に軸脚にタメを作る事
ー 軸脚でタメを作るために、親指付け根の拇指球に体重を掛けると、バランスが良くなる
ー 踏み出す時、カカトから着地するのではなく、自由な脚も拇指球でバランスを取る
ー キャッチボールからバランスを意識すれば、リリースポイントは安定する

番組後半で、課題を克服できず、集中力が切れかかっている時、「これは俺の試合だ!誰にも渡さない」という強い意志を持つ事、その意志はコーチではなく自分で作る事、そして自分の得意な練習に終始せず、弱点と向き合い、最高を目指す大切さを説いていました。
最後に、「決して、近道はしないでほしい。これから先もいいピッチングができる様に、全力で練習に取り組むんだ」という言葉を残して、レッスンは終了します。

基本動作の大切さを改めて教えてくれる番組です。是非、ご覧になってみてください。

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