投球テンポ1

キャッチャーから返球を受けたピッチャーが次の投球に入るために、ある一定の制限時間が定められているのをご存知でしょうか?

– ランナーなし: 12秒
– ランナーあり: 20秒

この時間を超えると、遅延行為とみなされ、ボーク(走者なしの場合は、ボール)の対象となります。学童野球でマウンドに上がる選手で、ピッチャー一筋と言っても長くて2年位でしょうか? まだまだ、自分のリズムで投げられる選手は少なく、その辺は無意識で投げてしまっている選手の方が大半だと見受けられます。テンポよく投げるということで観てみますと、元ヤクルトの伊藤智仁投手は、ドンドン投げ込んでくるタイプです。
(13分33秒あたりと17分39秒あたりです)

セットポジションで投げる場合、必ず体の前で両手合わせて静止する必要があります。投手になりたての選手や、性格的にもせっかちで投げ急ぎたがる選手ほど、静止せずに投球モーションに入る事が多いので、まず早目に静止する状態にすることで、様々なテンポを刻む事が可能になります。静止をしたら、一度大きく息を吐いてからモーションに入ったらどうかと、投手陣に提案もしました。実際、自分に合ったテンポは、本人しか判りません。グランド練習や合宿などで投げ込みをする機会があれば、早いテンポで投げたり、ゆっくり投げるなどして、自分に合うリズムを見つけてほしいと感じます。ただし、常に同じテンポだと、バッティングマシーンと変わらなくなるので、いずれバッターの方もタイミングが合って来ます。その辺は、キャッチャーとの呼吸に依るのでしょう。 いずれにせよ、投球テンポが良いと他を守る野手にも良い影響を与えると言われています。バッテリーの役割は非常に大きいということですね。

さて、今回取り上げた伊藤智仁投手ですが、度重なる怪我からプロ生活としては短命に終わりました。しかし、印象に残る凄い選手でした。肩のリハビリから復帰したシーズンでは、リリーフに廻り、とんでもないボールを投げています。

今週の試合は、マネージャーやチーム審判員の計らいもあり、久々にゆっくり観戦させて戴けそうです。初戦をチーム一丸で、相手を撃破してほしいですね…

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セットポジション

まずは、投手がボールを投じるシーンをご覧下さい。

両者の違いにお気づきでしょうか? そうです、グラブを静止した時の位置が異なります。この試合で、投手であるナオトくんはボークを取られました。なぜボークなのか、また本当にボークなのでしょうか?
そこで、野球規則にどの様な記載があるかを調べていたのですが… 明確な説明はありませんでした。ただ、この野球規則とは別にもう一つ、常に携行する様に言われている本があります。それは、競技者必携と呼ばれているものです。148ページに、こう書かれております。

審判上の取り決め事項ならび注意すべき規則
十五 正しい投球姿勢の徹底(8・01a,b)
1. 投手がポジションに入るとき、1塁へ左肩(右投げ)を大きく振って「偽投と見間違える極端なものに」それから向き直ってに入る入らないに関係なく、偽投と類似の動作をした場合(ボークになる)
2. 2塁に走者がいるとき、投手が二塁に顔を強く振りながら「自由な脚および両手が伴いあまりにも不自然な投球動作」をした場合(ボークになる)
3. 投手が投球する際に一度離れた両手を再び合わせたり、投げ手でグラブをたたいたりすることの禁止(注意指導)
4. セットポジションから投球する投手は、投球するまでに必ずボールを両手で保持したことを明らかにしなければならない。その保持に際しては身体の全面ならどこで保持してもよいが、打者あるいは走者の位置によってその保持する箇所を変えることは欺瞞行為にあたる。したがって、同一投手は、1試合を通して同じ位置でボールを保持しなければならない。(注意指導)

つまり、主審を含めた4審判は、ナオトくんに対してボークを宣告する事はできなかったのです。口頭注意のみとなります。

このことを教えてくれたのは、審判部の事務局長さんです。何かしらルール解釈について問い掛けをすると、その翌週には「ここに書いてある」と教えて戴いてます。恐らく、こちらの質問に対して調べてきて戴いたのだと思いますが、拙は非常に感謝しております。
さて、この競技者必携という本は、野球規則と共に、常にスコアラーケースに入っています。今後、別の試合で同様のジャッジをに遭遇したら、監督さんを通じ、タイムを掛けて(抗議ではなく)主審にアピールして下さい。
最後に、ボールをセットする位置ですが、肩の前あたりだと牽制球が投げやすいのと、プロの投球フォームによる流行りが、そうさせているのかと想像します。でも、疲れてくるとお腹の前あたりに下がって来る選手がほとんどです。この辺は、ベンチスタッフに一度相談してみますかね…

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