ランナーとの接触 2

野手がランナーと接触する機会に、タッチプレーがあります。例えば、キャッチャーの見せ場の一つに、ホームベースでのクロスプレーがありますが、是非知っておいてほしいことがあります。内野や外野からのボールを捕球するまでは、ベースを塞いで(隠して)はいけません。キャッチャーは、ボールを持っている時もしくは送球を捕球する寸前になるまでは、ランナーの走路は空けておかなければならず、空けていなければ走塁妨害となります。

【公認野球規則2.51】 『オブストラクション(走塁妨害)』
野手がボールを持たないときか、あるいはボールを処理する行為をしていないときに、ランナーの走塁を妨げる行為である。(公認野球規則7.06a、b)「原注」本項でいう“野手がボールを処理する行為をしている”とは、野手がまさに送球を捕ろうとしているか送球が直接野手に向かってきており、しかも十分近くにきていて、野手がこれを受け止めるにふさわしい位置を占めなければならなくなった状態をいう。これは、一つに審判員の判断に基づくものである。野手がボールを処理しようとして失敗した後は、もはやボールを処理している野手とはみなされない。例えば、野手がゴロを捕ろうとして飛びついたが捕球できなかった。ボールは通り過ぎていったのにもかかわらずグラウンドに横たわったままでいたので、ランナーの走塁を遅らせたような場合、その野手は走塁妨害をしたことになる。

下記にご紹介する動画ですが、次のポイントに注目してください。

・キャッチャーは、ホームベースの先端を空けてランナーに回り込むスペースを空けているかどうか

ホームベースの真上からの映像です。高校野球では、「より安全性を重視するためボールを受けるまでは、本塁の左半分に立ってはいけない」とされているそうです。イメージは、こんな感じです。

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左側が送球を待っている状態、右側が捕球後の体制と考えてください。

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このイラストを観てから、実際のプレーで確認してみましょう。真上からの撮影された映像です。主審のジャッジには疑問は残りますが…

続いて、プロ選手達の練習風景です。捕球してから、ホームベース上に身体を移動して、タッチを行っています。

ランナーが本塁へ向かってきた時、クロスプレーではスライディング(滑り込み)というアクションが伴います。キャッチャーとしては、本塁を守るためにブロックする必要があるのですが、身体と身体のぶつかり合いですから、キャッチャーとランナー共に、怪我へのリスクもあります。

ですが、野手からの送球が3塁側ファールラインへ逸れることもあり得ます。これから色々なプレーの積み重ねによって具体化するのでしょうが、現時点では次の様に解釈するそうです。

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では、むやみにランナーへ「通せんぼ」するとどういうことが起こり得るかについては、機会を改めます…

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ランナーとの接触 1

先日のグランド練習は途中参加だったのですが、4年生以下選手を対象にした走塁練習に時間を割いておりました。まず、3フットレーンベース踏み方をおさらいをしました。今年の4年生は、運動会でリレー選手に選ばれた選手が何人かおります。確かに、まっすぐ走る分には速いのですが、ベースの踏み忘れやベースの手前で歩幅を合わせたために失速してしまうケースなどが見られました。何事にも回数をこなして、覚えていくしかないなと感じた次第です。
さらに、1塁・3塁コーチャーのアクションについても時間を割いていました。間違った指示をするシーンはありませんでしたが、彼らの声は、キーが高い上に声量も小さ目です。恐らく、試合中は周りの大人の声などで掻き消されることは確実と感じました。ですから、必死に走ってくるランナーに対して、体全体で指示を出す必要があります。ここで、1つ覚えておいてほしいことがあります。特に3塁コーチャーに入った選手が、ランナーを必死に止めたい場合、両手を前に出して「止まれ」の合図を送ると思うのですが、ランナーに触れるとどうなるか、ご存知でしょうか?

【公認野球規則6.01 『打者または走者の妨害』】(旧7.09)
『インターフェア』次の場合は、バッターまたはランナーによるインターフェアとする。
(h) 3塁または1塁のベースコーチがランナーに触れるかまたは支えるかして、ランナーの3塁または1塁への帰塁あるいはそれらの離塁を肉体的に援助したと審判員が認めた場合
【公認野球規則5.03 『ベースコーチ』】(旧4.05)
『原注』の末尾に同『注』を追加する。
ベースコーチは、用具の交換を除き、走者の身体に触れてはならない

例えば、2塁ランナーが3塁へスライディングしたとします。その時、オーバースライドしそうになったのを3塁ベースコーチが支えたとか、本塁へのタッチアップに際して3塁ベースコーチが背中を叩くなどして離塁のタイミングを促した場合などは、明らかに肉体的に走塁を援助したものと判断されます。インターフェアに対するペナルティは、該当するランナーがアウトになりボールデッドとなります。
ホームランを打ったバッターが1→2→3塁ベースを廻る際に、コーチャーと交わす「ハイタッチ」はルール上、インターフェアにはなりません。理由は、ホームランと認定された時点でボールデットになる(公認野球規則5.06c)ためですが、学童野球を含めたアマチュア野球ではモラルの観点からも控えた方が良いと思います。ホームベースを踏んで、得点と認められるまでは、ランナーの身体には触れないでください。

コーチャーには、もう1つ知っておくべきルールがあります。詳しくは、コチラ↓をご覧ください。

珍しい守備妨害1

それにしても、個人的に「肉体的援助」という表現がどうもしっくりきません。

MLBのルールを英訳した内容がベースになっているとはいえ、日本語って難しいですね…

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