選手達の頑張る姿を観戦していて、その試合が相手チームのリードで進んだ展開では、コツコツ追い上げる展開を好む人もいるでしょうが、ドラマチックな展開と言えば最終回の大逆転劇ではないでしょうか? 応援する身勝手な願いである事は百も承知しています。
つい先日も、最終回4点差という状況を目にしたのですが、このシーンと同じ様な事が起こりやしないか願い続けておりました。
2000年シーズンの読売ジャイアンツは、当時の監督である長嶋茂雄氏がその年がミレニアム(新千年紀)と呼ばれていた事にちなんで「ミレニアム打線」と命名したと言われています。松井秀喜選手は、前年オフの契約更改後の記者会見にて「これからは自分が四番を打ちたい」と決意表明し、西武ライオンズからドミンゴ・マルティネス選手を、守備に難があるものの長打力に加え走力もある江藤智選手をFAで広島カープから獲得し、高橋由伸選手や清原和博選手を擁する、夢の様な打線でした。
終盤の追い上げに必要な事、それは1人でも多く出塁して相手守備側にプレッシャーを与える事です。そのためには、後ろの打者へつなぐという意識が求められます。つなぎ方にも意味があると考えます。読売ジャイアンツの試合では、長打も打てる元木大介・高橋由伸・松井秀喜の3選手は、皆単打でしかも、ゴロやライナー性の打球を放っている点です。フライを上げてしまう事はありませんでした。
さて、ランナー満塁となった場面で、解説の山本浩二氏が熱っぽく語っているシーンが強く印象に残っています。次の動画の1分26秒辺りからです。
「江藤はまっすぐ(ストレート)一本を待っていますよ。2ストライクまではね。恐らく、そのまっすぐは来ますから、それを打ち損じない様に打つ事なんですね。空振りでもファールでもダメなんです。1球で仕留めるという強い気持ちを持たなければなりませんね」
実際には満塁ホームランを放った訳で、気持ちだけでなく打てる技術があったからだとは思いますが、まず江藤智選手が1球で仕留めるまでの仕草や目つきにも注目してください。虎視眈々と静かに集中している事を感じられるかと思います。
マンガの様な大逆転劇ではあるのですが、諦めない気持ちと、後ろにつなぐ気持ちは終盤の劣勢の場面では絶対に必要な事なんだと感じます。
まぁ、拙の独り言なんですけどね…