試合の進行には裏方役の1つに、ボールボーイがいます。
役割としては、球審へのボールの補充、球場外へ出ていったファールボールの確保、球場(グラウンド)内を転々とするファールボールやプレイに支障を来すゴミの回収などが挙げられます。ご参考までに、バットの回収する(バットを引く)人は、バットボーイと呼ばれています。
先日、ハマスタで行われたジャイアンツ戦を観戦した際、風でグラウンド内に入り込んできたビニール袋の回収のため、センターの野手まで向かうボールボーイの全力疾走を見て、思わず拍手を送りました。
ファールボールの回収も、試合再開を早めるための重要な役割を担っています。
ですが、フェアボールに触れてしまうと、どうなるのでしょうか?
ルール上は、その後のプレイを妨げた事になり、直ちにボールデッドが宣告されます。
公認野球規則には、こう記されています。
【公認野球規則6.01 『妨害』】(旧5.09)
(c)ボールデッド
競技場内に入ることを公認された人(試合に参加している攻撃側メンバー、またはベースコーチ、そのいずれかが打球または送球を守備しようとしている野手を妨害した場合、あるいは審判員を除く)が競技を妨害したとき、その妨害が故意でないときは、ボールインプレイである。
しかし故意の妨害のときには、妨害と同時にボールデッドとなり、審判員は、もし妨害がなかったら競技はどのような状態になったかを判断して、ボールデッド後の処置をとる。
【原注】
本項で除かれている攻撃側メンバーまたはベースコーチが、打球または送球を守備しようとしている野手を妨害した場合については、6.01b参照。審判員による妨害については5.06c2、5.06c6及び5.05b4、ランナーによる妨害については5.09b3参照。
妨害が故意であったか否かは、その行為に基づいて決定しなければならない。
例えば、バットボーイ、ボールボーイ、警察官等が、打球または送球に触れないように避けようとしたが避けきれずに触れた場合は、故意の妨害と見なされない。しかし、ボールを蹴ったり、拾い上げたり、押し戻した場合には、本人の意思と関係なく故意の妨害とみなされる。
映像を観る限り、自ら捕球しに行っています。確かに、3塁線の速い打球でした。ファールと勘違いしたのか、野手の本能が疼いたのかのいずれにせよ、彼がとった行動はその後のプレイを妨害したと判断されました。このシーンでは、規則書に書かれている通りの説明を主審が行っています。
試合進行をサポートする彼らに非はありませんが、ベンチ入りした選手がボールボーイの役割を担う場合、ファールもしくはフェアの打球の行方を妨げた時の処置の違いは、正しく理解しておいた方が良いと思います。
フェアの打球に対しては、もし妨害がなかったら競技はどの様な状態になったかを判断する事が求められます。