知るという事

座学第2回目としてルール説明会を行いました。お題目として、「打つときに知っておいてほしい決まり事」を取り上げました。低学年向けにも判る様に腐心したつもりですが、入団まもない選手からびっくりする様なプレーの説明を聞いたり、普段から人の話をあまり聞いていない様な選手が一生懸命メモを取ってみたり、グランドでの姿だけでは中々判らない一面を観る良い機会を得ています。
まぁ座学というと、理論(理屈)を教えていると思われるかもしれませんが、単純な話、「これを知ってました?知りませんでしたか?」という、知識の確認の場なんですね。知る事が出来れば、あとは練習を通じて理解すれば誰でも出来る様になります。習得に時間を要するプレーだとしても、根気よく続ければ必ず出来る様になります。そこに至るアプローチの仕方は様々です。仕組み(メカニズム)から入る人がいれば、感覚を大切にする人もいます。感覚派は、見て/感じて/マネる人ですね。その選手に対するアプローチとしてどちらが合っているかの判断は、現場指導者の眼力に委ねますが、今回の座学を通じて選手に一番伝えたいのは、もっと自分の知らない世界があるという事を知って欲しいんですね。それだけで、野球はもっと楽しくなるはずですし、これまでとは違った興味を抱いてくれると思うのです。確かに、過去2回の座学では学ぶという事に重点を置いていますが、いずれは理論だけではなく、色んな技(引き出し)がある事も一緒に学べたらなと考えています。知識とは理論ではありませんし、引き出しとは理論という事でもありません。極端な話、野球が出来る=理論や仕組みありき、ではないんですね。例えばですが、こんな画像があります…

(45秒後あたりから、落合監督と選手の会話に耳を澄ましてみてください)

このやり取りは、「当て捕り」について中日の選手に知らせようとしている様です。この選手は、紛れもなくプロの選手ですが、たぶん理解出来ていないんだと思います。この選手には失礼かもしれませんが、理解したフリをしているのかな?、とまで勘ぐりました。伝えたい事と実際にやっている事がイマイチ噛み合っていません。監督は、彼のグラブが体から外れる事を矯正したいのです。この選手はボールを握り変えるために、グラブをヘソ辺りに持って行きたいみたいです。つまり、どうしても彼はボールを握り変えるための時間が欲しい様に映ります。でも、次の動画と比較すると、それ自体がすごく無駄な動きである事が判ります。このMLBプレーヤーの捕球は体の外が多いのですが、グラブで捕ってから右手でボールを握り変えるまでの時間が、あっと言う間なんです。

この「当て捕り」を知っているか知らないかで、この選手が1軍で活躍出来るまでの期間が変わるのかなと勝手な想像をしてしまいました。
拙がスキーのインストラクターを始めた頃、フリー滑走中に先輩から教わった事は、ちょっとした技ばかりでした。当たり前ですが、今まで知らなかったからすぐに模倣出来るなどは皆無です。さらに、出来る様になるために教えてくれる事はありませんでした。知りたければ、後を付いてマネせよと言うだけ… まぁ、大学生くらいなら、どうしたら良いか、自分で考えられるでしょ?という事だったらしいです。今思うと、知らない事を突きつけられて、それを噛み砕いて身に付ける術を学ばせられた気がします。その積み重ねで、大学卒業時にはどんな斜面でも求められる滑りを魅せる事が出来ましたし、一度理解出来るともっとシンプルに伝える事も出来る様になりました。
話はかなり逸れてしまいましたが、もっと野球にこれまでと違った興味を抱いてもらえたらな、と思う今日この頃です。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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