走塁放棄の危険性

先日のオリックスvs.日ハム戦で珍しいプレーが起きました。代打で途中出場した大谷翔平投手は、オールスター明け初打席となりました。オリックスベンチは敬遠を選択し、大谷選手は初球から4球見逃した上、1塁ベースへ歩きかけます。しかし、すぐに代走が告げられたため、なんと1塁ベースにたどり着く前にベンチへと戻ってしまいました。この時、オリックス側も3番手投手への交代を告げ、直ぐに投球練習を始めたこともあり、大谷選手は塁審に促される形でこの時間を利用し改めて1塁ベースを踏みに戻りました。オリックス側は、このベース踏み直し=走塁放棄に対する抗議を申し出ますが、認められませんでした。

そもそも、四球を選んだバッターは1塁ベースを踏まないといけません。この時点では、まだインプレー中ですのでベースを踏まなかった場合は走塁放棄とみなされ、四球も認められなくなります。審判サイドは、守備側チームからアピールを受ける前に、投手交代によるタイムを受けたためボールデッド(タイム)の状態であることを理由に、バッターランナーはアウトにならないと説明をしたそうです。四球が発生した後の各選手やコーチ(監督)の動きを観ていると、まず大谷選手は1塁へ歩き出す前にバッターボックス内でレガースを外しています。その間に、オリックス側が投手交代のためのタイムを告げて、投手コーチがマウンドへ向かっています。この時、大谷選手はまだバッターボックスの中におります。

学童野球では、例えば四球を選んだ直後に守備側の監督がマウンドに向かう際、球審はバッターランナーの1塁到達を確認するまで監督のタイムを認めない様に調整しています。また、バッターランナーもタイムの有無に関わらず、インプレー中という理由で、1塁への全力疾走を教わりますから、この様なシーンを実際にお目に掛かることはなさそうです。

まぁ何というか、腑に落ちないプレーではあるんですけどね…

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