この週末、宮前区では子ども会大会と低学年大会が開幕します。
低学年とは4年生以下を指します。
この低学年大会で起こり得るプレイと言えば、その一つにベースの踏み忘れが挙げられます。そのプレイが、プロ野球交流戦で起きてしまいました。
日本生命セ・パ交流戦、オリックスバッファローズ vs. 中日ドラゴンズ戦で、オリックスの新外国人クリス・マレーロ外野手が、ホームランを放ちながら本塁を踏み忘れてアウトになってしまいました。
1点を追う5回0アウトランナー1塁で左中間席へアーチを架け、これが来日初安打が逆転2ランという事もあり、本塁に達する前にマスコットのバファローブルらとハイタッチを交わし、1塁ダッグアウトに戻ってからもナインから祝福を受けます。
しかし、松井雅人捕手はマレーロ選手が本塁を空過する様子をしっかり目視していました。球審に「アピールしたいんですけど、どうしたらいいですか」と尋ねたところ、同球審は「(空過したか否かはフォーメーション上) 1塁塁審が見ているので、プレーがかかってからアピールしてください」と返答したそうです。小笠原投手が新しいボールを受け取り、次の打者の安達選手が打席に入りプレーが掛かってから、小笠原投手は投球プレートを踏まずに松井捕手に送球しました。捕手が捕球後、本塁を踏んだことでアピールが成立し、1塁塁審が「アウト」を宣告します。
公認野球規則の記載を確認してみます。
【公認野球規則5.09 『アウト』】 (旧7.08)
(b)走者アウト
(12)走者が本塁に走り込むか、または滑り込んだ際に、本塁に触れないで、しかも本塁に触れ直そうとしないときに、野手がボールを持って本塁に触れて審判員にアピールした場合。(5.09c4参照)
【原注】
本項は、本塁に触れなかった走者がベンチに向かっており、アウトにするためには捕手がその走者を追いかけなければならないような場合に適用される。本塁を踏み損ねた走者が、触球される前に踏み直そうと努力しているような普通のプレイが行われているときには適用されない。この場合には、走者は触球されなければアウトにならない。
【公認野球規則5.09 『アウト』】 (旧7.10)
(c)アピールアウト
(4)走者が本塁に触れず、しかも本塁に触れ直そうとしないとき、本塁に触球された場合。(5.09b12参照)
本項規程のアピールは、投手が打者への次の1球を投じるまで、または、たとえ投球しなくてもその前にプレイをしたりプレイを企てるまでに行わなければならない。
イニングの表または裏が終わったときのアピールは、守備側チームのプレーヤーが競技場を去るまでに行わなければならない。アピールは、その消滅の基準となるプレイまたはプレイの企てとはみなさない。
投手がアピールのために塁に送球し、スタンドの中などボールデッドの箇所にボールを投げ込んだ場合には、同一走者に対して同一塁についてのアピールを再びすることは許されない。
第三アウトが成立した後、他にアピールがあり、審判員が、そのアピールを支持した場合には、そのアピールアウトが、そのイニングにおける第三アウトとなる。
また、第三アウトがアピールによって成立した後でも、守備側チームは、このアウトより他に有利なアピールプレイあれば、その有利となるアピールアウトを選んで、先の第三アウトと置き換えることができる。
〝守備側チームのプレーヤーが競技場を去る〟とあるのは、投手及び内野手が、ベンチまたはクラブハウスに向かうために、フェア地域を離れたことを意味する。
【5.09c原注】
アピールするときに投手がボークをした場合には、その消滅の基準となるプレイとみなされる。
アピールは言葉で表現されるか、審判員にアピールとわかる動作によって、その意図が明らかにされなければならない。プレーヤーがボールを手にして塁に何気なく立っても、アピールをしたことにはならない。アピールが行われているときはボールデッドではない。
【注1】
アピール権消滅の基準となるプレイには、投手のプレイはもちろん、野手のプレイも含まれる。例えば打者がワンバウンドで外野席に入るヒットを放って二塁に達したが、途中一塁を空過していた。プレイ再開後投手が一塁へアピールのために送球したところ、悪送球となってプレイングフィールド内を転々とした。これを拾った一塁手が一塁でアピールをすることはできるが、二塁走者がその悪送球を利して三塁へ走ったのを見て三塁へ送球してしまえば、一塁でのアピール権は消滅する。
【注2】
攻守交代の場合と試合終了の場合との区別なく、いずれの場合でも投手及び内野手が、フェア地域を離れたときに、アピール権が消滅することとする。
アマチュア野球では試合終了後の場合に限って、両チームが本塁に整列したとき、アピール権は消滅することとする。
【注3】
アピールするには、言葉と動作とで、はっきりとその旨を表示しなければならない。
なお、ある一つの塁を2人以上の走者が通過した際、その塁の空過を発見してアピールするには、どの走者に対するアピールであるかを明示しなければならない。例えば、甲、乙、丙の3人の走者が、三塁を通過し、乙が三塁を踏まなかったときは、乙に対するアピールである旨を明示しなければならないが、もしこのとき甲が空過したと誤って申し出て、審判員に認められなかった場合でも、その塁を空過した走者の数までは、アピールを繰り返して行うことができる。
「福良監督へは、こちらから『本塁を空過したとアピールがありました』と1塁塁審から話したそうです。『リプレー検証で見ることはできないの?』と聞かれたが『それはできません』と答えた」と言っています。フェンス際やポール際への打球が本塁打か否かや、本塁クロスプレーのケースではないので、リプレー検証を行うケースには当たらないと判断され、マレーロ選手の得点は認められずアウトとなり、3塁打と記録されました。
この週末、ベースの踏み忘れがないかどうか、しっかり見届けたいと思います。