自分を見る

プロ野球は交流戦が終わり、ペナントレースが再開されますが、今年もパリーグが圧倒的な強さを見せつけました。
新人選手の中で、著しい成長を遂げたと言われているオコエ瑠偉選手については、色々なメディアで取り上げられています。守備と走塁については、シーズン前から1軍レベルと評価されていましたが、課題は打撃でした。その彼が、交流戦では高卒ルーキーの中で最多安打を記録し、勝利打点、猛打賞、プロ初アーチと打撃でも活躍を見せています。シーズン前に放映された動画では、打撃コーチと二人三脚で練習に明け暮れている様子が描かれているのですが…

最近メディアで取り上げられたインタビュー記事では、少々異なる様です。

――1軍の池山打撃コーチ、2軍の河野打撃コーチの助言を聞きつつ最後は自分で?
「はい、1軍での経験を生かして自分で考えました」
――左足の使い方でバッティングの“間”が取れているように見える。
「左足の動きは、無意識なんです。どちらかといえば意識しているのは右のお尻に(重心が)乗ることです」
――右のお尻に?
「誰もが、右のここ(右足の付け根)に乗れと言いますよね? でも僕の場合、ここに乗ることを意識すると(ピッチャーに背中を見せるように左肩が内側に)入り込んじゃうんです。元々、高校時代から入り込むバッティングだったので、右のお尻を意識したほうが正しい重心の位置に乗ることができるんです」

プロ1年目ですから、バッティングはこれからドンドン変化していくと思うのですが、意識するポイントが明確になったことが好調の証なのでしょう。この2シーズン不振で苦しんだ村田修一選手は、新たな練習方法を取り入れ、良い結果が出ているそうです。

オコエ選手といい、村田選手といい、指導者からのアドバイスは受けても、自分を客観的に見た上で、次への取り組みをしっかり決めています。小・中学生であっても、スマホでフォームを撮影してもらい、自分という「もう一人のコーチ」から見てどう映るのかを確認して、じっくり考える機会があってもよいのかなと思います。「やろう」としていることと、「やっている」ことの違いに気が付くだけでも大きな発見です。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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ベースをまたぐ2

前回に引き続き、「ベースをまたぐ」ことについて、今度はサード目線で考えてみます。
記憶に新しいところで、2015年春の選抜高校野球決勝戦で起きた、あのプレーです。

0分11秒辺りからジックリご覧ください。サードを守る敦賀気比の山下直樹選手は、平沼投手からの送球を受けて2塁ランナーへタッグプレーを試みます。この時、ボールの入ったグローブだけをベースの前に置いてタッチ(タッグ)しますが、ランナーは3塁ベースからかなり近いところでスライディングをしたためか、互いの衝撃も大きく、グローブからボールが溢れてしまいます。このプレーを「守備妨害とするべき」という意見が多かったシーンです。右脚はファールラインの上に置かれています。
前回の説明に従いますと、ピッチャーがバッターへ投球した後に発生したプレーですから、左右どちらの脚が、ファールエリアにあっても問題にはなりません。山下選手は、スライディングを試みるランナーとの衝突を防ぐ気持ちが働いたのか、左脚を少しだけ後ろに逸らしてタッグプレーに挑んでいると映りました。

個人的には、3塁審判の判断が全てとは言え、アマチュア内規にある『危険防止(ラフプレー禁止)ルール』を適用されても何ら不思議ではないと感じます。

アマチュア内規については、別の機会で触れることにします。

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