今日も通勤途中に、気になるネット記事を見つけて、帰宅後に色々と調べてしまいました。
実は、読売ジャイアンツ岡本和真選手の守備を取り上げた記事だったのです。
ちょっと長いですが、一部を引用させて戴くと、こんな事が書かれています。
4年目を迎えた今季の岡本は、開幕から阿部慎之助内野手を押しのけて、一塁のレギュラーポジションを守っている。
もちろん岡本の売りは類い稀なセンスを持つバッティングだ。
「彼には独特の“間”がある。あれだけは教えようとしても教えられない天性のもの。打者としての才能は、将来的には巨人の4番を任せられる。そういう可能性を秘めている素材であることは間違いない」
ドラフト1位指名を決めた原辰徳前監督もこう評した「天才型」の打者が、ようやくその片鱗を見せはじめている。
開幕の阪神3連戦では2本塁打8打点の大暴れをして、「覚醒」の2文字がスポーツ紙に躍った。その後も爆発とまではいかないが、ここまで15試合を消化して、打率2割6分4厘で3本塁打、13打点で5番を任されるなど、確実に成長の足跡を残している。守備が下手だから一塁になった訳ではない
この打者・岡本の成長を、もう1つの道から見ているのが井端コーチなのである。
「岡本の一塁守備がかなりうまくなっているんですよ。結果的に守備がうまくなったこともバッティングに好影響を与えているのは確実だと思いますよ」
チームは昨オフにベテランの村田修一内野手を自由契約にして三塁のポジションを空けた。そこに入る候補にはケーシー・マギー内野手と岡本の名前が挙がっていて、「三塁・岡本、一塁・マギー」という組み合わせになる可能性もかなりあった。
「結果的に岡本が一塁になったのは、守備が下手だからじゃないんです。むしろ岡本は一塁の守備の適応能力が高かった。そういうことを含めて最終的に判断が下されたんですけど、今は一塁を守らせて良かったと思っています。三塁ではバッティングを含めて、ここまできていたかどうかは分からない」井端コーチがこう語る背景には、自らが経験した一塁守備の難しさ、一塁手の重要性があった。
内野ではショートの次に難しいのが一塁
「みんな一塁の守備を軽く見ているけど、自分が実際に経験してみて内野ではショートの次に難しいのが一塁。ボールを捕ると言うことだけではなくて、打球に対する動きや判断といったトータルでの難しさをあげたらやっぱり一番、大変なのはショート。でも次が一塁で3番目が二塁。三塁はそういう意味では動きが少なくて一番、簡単なんです」
井端コーチの言う簡単とは、もちろんかなりハイレベルな話ではある。ただ、一般的には一塁手の守備は軽く見られがちだが、それだけは違うとこう力説するのである。
「自分の守備範囲近辺に打球が飛んだら、他のポジションは、とにかくまずは全力でボールを捕りにいく。でも一塁手は一、二塁間の打球に対してベースを空けても自分が捕りにいくのか、それとも二塁手に任せるのかを一瞬で判断しなければならない。ヒットになったら、次の瞬間にはバックアップにいったり、状況によってはカットに入ったりと1つの打球に対してやることが一杯あるんです」
守備が上手くないとバッティングに影響する。
ホットコーナーと呼ばれる三塁手は、とにかく強い球に反応して、怯まずに捕球して正確に送球するだけだ。いわゆるカットマンとしての動きやバックアップもほとんどない。それに比べて一塁手は1つの打球に対してきちっとした判断と動きが求められる。
そういう難しいポジションだから、井端コーチは岡本の一塁守備も二人三脚で鍛え上げてきた。その中で強調してきたことが、守備がうまくならないとバッティングに集中できないから、まずは守備をしっかりしようということだった。
キャンプから行ってきたノックも捕球練習だけではない。一、二塁間に転がして自分の守備範囲をしっかり把握させた。ファウルゾーンへのフライを上げて、打球の追い方、フェンスとの距離感のとりかた……本当に1つ1つに意味のある打球を打って、一塁手としての守備感覚を磨き上げた。
目立たないし、あまり話題にもならないが、井端はいまは岡本の守備力をリーグ1、2と見ている。
「(DeNAのホセ・)ロペスに匹敵するか、ひょっとしたらロペスよりうまいかもしれない」
「自分もそうだったんですよ」
井端コーチは言う。
「守っていて守備に不安がないから、打撃のことも準備できる。次の回には打順が回ってくると思えば『チャンスで回ってこんかな』とか思いながら、前の打席のピッチャーの攻めとかもきちっと整理したりもできた。
守備に自信がないと、守っていても周りが見えなくなるから、そういう余裕はなくなるんです。
僕は岡本が一塁を守るようになって、将来的にもよかったと思っています。一塁は難しいし、それだけ野球へのアプローチが幅広くなる。そういうこともバッティングに必ず生きてきます。三塁手ではなかなかそうはいかなかったと思うから」
これが名手だから見えていた岡本の成長の道だった。引用元:井端コーチが見抜いた岡本和真の才。 「一塁守備」で打撃向上の論理とは?
ファーストを守る選手というのは、打撃を買われるものの、送球力を含めた守備に難があるという発想も手伝い、左投げ専用もしくは外国人指定席という印象がありました。
打球へ向かうための運動量が求められるセカンド・ショート、ホットコーナーと呼ばれるサードと比べても、やはりファーストというのは内野のポジションにおいても4番目という扱いというか、プロの世界ではそれが定説だと思うのです。
正直、この定説へはある種の疑問も抱いていたので、井端コーチのコメントに喰いついて読んでしまいました。
実は、息子が小学6年生になってファーストを守る事になった時、ベンチスタッフからは「他の選手との兼ね合いがあるけど、1番は彼の打撃を活かすため」という意見を聞きました。「他の内野を守る選手よりも守備力は求めない」的な言われ方だなと感じましたが、額面通りには受け取りませんでした。なぜなら、ファーストの守備に対しては、バッテリーを含めて内野からの送球や、時としてセンター・ライトからの送球をしっかり捕球する技量と経験が求められると感じたからです。そのため、ファーストを守る事が決まってから、まず色々な方向から来るショートバウンドの捕球を、ひたすら毎日取り組みました。それに加えて、拙が1塁審の経験と積むにつれ、その定説に対してさらに疑問を抱く様になりました。
例えば、塁上にランナーがいる場合、1塁でバッターランナーをフォースアウトにした直後に3塁や本塁への送球を求められた時、捕球よりもベースから脚が先に離れてしまっては、バッターランナーはセーフになりますし、捕球後の動きが緩慢では2つ目のアウトを取る確率は下がります。1塁ベースにほど近いエリアに飛んだファールフライへの対処や、左打者が放つ痛烈な打球への対応が求められます。また、ひとたびランナーが1塁に出塁したら、牽制球への捕球は当たり前になります。1・2塁方向への打球を追った場合、ベースカバーに入るピッチャーへの送球も求められるでしょう。定位置からボールを追うための移動量が少ない事だけを除けば、サード以上に覚えるべき事やこなすべき事が多いと感じます。学童チームで試合を行う際、9人いる選手のポジションを決める際、やはり確実に捕球ができる人をファーストに配置します。
そう言えば、「ファーストにも極意がある」なんて事を以前呟きました。
岡本和真選手は、2017年シーズンで外野にも挑戦していましたが、高校の時に1度だけ経験したそうです。
戦力として加わる新たな選手がその打撃を買われた時、守備のレギュラーポジションはチーム事情によって様々です。
試合に出るために必死で守備も磨き、オープン戦での打撃を買われてようやく1軍レギュラーを掴み、守備率は堂々の1位です。
2018年シーズンの守備成績は、このサイトで日々更新されています。
http://npb.jp/bis/2018/stats/fld_c.html
岡本和真選手の活躍については、打撃力だけでなく守備力にも注目していきたいと思います…