横浜DeNAベイスターズで活躍中の今永昇太投手の動画を観ていたら、こんなプレーがありました。
彼が大学生時代の第45回明治神宮大会大学決勝戦、明治大学との一戦での出来事です。
8回表2アウト満塁で、今永投手が投じたインコースのボールが糸原選手の手首にボールが当り、フェアゾーンに転がりました。主審の最初のジャッジはデットボールでしたが、駒沢大学側の猛抗議に審判団が集まり、協議の結果スイングを取られ三振に覆り、3アウトチェンジになりました。
おさらいしますと、主審のジャッジは死球(ヒット・バイ・ピッチ)の判定をしていました。
手に当たった打球は、内野に転がりその打球をショートが処理して、一塁でバッターランナーのアウトを判定していますが、このプレーは成立していません。
守備側(駒沢大学)は、バッターが打ちにいったので三振をアピールしています。
この最終判定に至ったルールの適用ですが、まず死球になるには
【公認野球規則5.05 『バッターがランナーとなる場合』】 (旧6.08(b))
(2)バッターが打とうとしなかった投球に触れた場合。
と審判員が認めなければなりません。
たとえ、ボール球だったとしても正規の投球を打ちにいって空振りした場合はストライクとなり、
【公認野球規則5.09 『アウト』】 (旧6.05(f))
(6)2ストライク後バッターが打った(バントの場合も含む)が、投球がバッドに触れないで、バッターの身体に触れた場合。
ただちにボールデッドとなり、判定は三振で振り逃げも成立しません。また、塁上の走者の進塁も認められません。
もし、ホームベースに覆いかぶさる様な構えのまま、ピッチャーが投じた正規の投球を避けられずに、バット以外の身体に当たった場合も同様の判定が適用されます。
また、ボールがバット以外の身体の何処かに当たった場合は、スイングの有無やストライクカウントに関わらずボールデッドとなりますので、転がったボールを野手が処理しようとしても、その後のプレー自体は無効となります。ただし、バッターのスイングが確認された場合は、ストライクとなります。
今回のシーンでは、打ちにいったところ予想外にボールが向かってきたため、スイングを止めるのが精一杯で避ける動作を全く取れないままに当たってしまった様に見えます。その結果、打ちにいったという行為が優先された格好となります。
スロー映像からは、キャッチャーの求めるものとは逆のコースにボールが行き、主審もキャッチャーの動きに邪魔されて良く見えていない様に映ります。この場合、3塁塁審もそのプレーに対してどの様に見えたかを伝える必要があります。