ミット

この週末、プロ野球はオールスターゲームが開催されます。選手間投票で選出されたジャイアンツの阿部慎之助選手は、秘密兵器を従えて出場するそうです。
ファーストミットとキャッチャーミットを融合させた特注品で、その名もキャーストミットと名付けられました。今シーズンは、一塁手にコンバートされて開幕を迎えましたが、チーム事情から一時的に捕手に戻っていたのはご存知の通りです。とはいえ、やはり選手間では最強の捕手として認めされていたのでしょう。投票では、捕手部門で270票(全759票中)を獲得しました。ファーストと兼用できるミットが必要になったというのが、キッカケだったそうです。見た目はキャッチャーミットで、性能はファーストミットと言われている特注ミットは、コチラ⇩です。キャッチャー兼用ファーストミット製作は、ミズノ(MIZUNO)社です。ソフトボール用のキャッチャーミットをベースに、使用する革の質や、全体のサイズを長めにするなど、両方の要素を取り入れてアレンジされました。
ところで、ミットグローブの違いは何でしょうか?そもそも、ミット(mitt)とは野球やソフトボールの守備で用いられる捕球用防具でグローブの一種で、野球でにおいては捕手(キャッチャー)が用いるキャッチャーミット、一塁手(ファースト)が用いるファーストミットと呼びます。

【キャッチャーミット】投手の投球を捕球するのに適した形状をしていて、全体的に丸みを帯び、端が厚めにできています。親指部分は独立してはいますが、形状的にはグローブのように突出してはおらず、突き指を防ぐ形状になっています。
【ファーストミット】自ら打者の打球を捕球処理するだけでなく、他の野手からの投球を正確により早く捕球するのために、他の野手のグローブよりもかなり長く大きめに作られています。

ソフトボールの世界では、キャッチャーミットとファーストミットが兼用であることが多いそうですが、野球の世界ではどうなんでしょうか?
公認野球規則では、捕手と一塁手のみ、ミットに関する規定が定められているものの、それ以外のポジションにおいてミットの使用を禁止する項目は特になく、そもそもグローブとミットの定義すらされていません。このことから、所属する団体もしくは協会において規則の補足が無い限り、グローブの規定に順ずるものであれば一塁手以外の野手が使用することも可能と言えます。厳密には、サイズ等の規定さえクリアすれば捕手がファーストミット、一塁手がキャッチャーミットを使用することも可能(もちろんグローブも使用可能)です。キャッチャーミットでファーストを守ることはできないと言われておりますが、そもそも通常ミットはグローブの規定を超えるサイズのもの、キャッチャーミットはファーストミットの規定を超えるサイズのものが一般的だからです。

今度お店に行ったら、「キャーストミット」の実物を観てみますか…

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