スポーツ障害

3月4日付けの毎日新聞に、こんな記事が掲載されていました。

少年野球調査:肘などに痛み「感じた」57%

毎日新聞 2015年03月04日 20時21分

全日本野球協会などは4日、全国の軟式と硬式チームに所属する小学生の練習量や体の痛みの発症についての実態調査結果を発表した。同協会によると、少年野球のスポーツ障害に関する全国調査は初めて。
調査は、昨年7月から今年1月に実施。539チームの1万228人(リトルリーグの中学1年74人を含む)選手と527人の指導者から回答を得た。(回答率はほぼ100%)
調査は昨年7月から今年1月に実施。539チームの1万228人(リトルリーグの中学1年74人を含む)の選手と527人の指導者から回答を得た。回答率はほぼ100%。
痛みに関する質問では、5880人(57.5%)が肘など何らかの部位に痛みを感じたことがあると回答。そのうち調査時に痛みがあり、整形外科などに通院しているのは648人にとどまった。また1週間の全力投球数について、100球を境に肩肘痛の発生に差が見られると指摘した。
調査に協力した群馬大医学部の高岸憲二教授は「練習の投球制限について真剣に考えるべき時期にきている」と提言した。

川崎市も1月に野球肘検診を実施しまして、宮前区全体として「数名が再検査を要する」という結果になりました。この記事における提言は、練習時の投球制限にスポットがあたっていますが、試合においてはどうなのでしょうか?
現在、連盟公式戦では1日の投球イニングに制限が設けられていますが、イニング数であって、投球数ではありません。2番手でマウンドに上がり、ワンアウトを取って攻撃に転じた場合も、現状は1イニングにカウントされます。ですから、1イニングを1球で終わることもあれば、数十球要することもあり得るのです。

【投手の投球数に関するガイドライン】
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投手の投球数に関するガイドライン

【野球障害に対する提言】
(日本臨床スポーツ医学会から引用)

野球障害に対する提言

上記は日米のスポーツ医学会がそれぞれ1995年に発表している未成年の選手に対する投球数の提言です(現在も有効らしいです)。投球数の制御によって肩痛・肘痛のリスクを軽減させるためには、これくらいの投球数が良い、という一般的な目安として掲載されています。しかし、高校野球(甲子園)を見ていても完投翌日にまた登板することは珍しくなく、それを未だ美談と報ずるのではなく、もっと警告を促してほしいと感じます。
学童野球では、4年生位から体力的にも連続した全力投球ができる様になりますが、理にかなった投球フォーム習得はもちろんのこと、アイシングストレッチ適度な休息(ノースロー)への大切さをもっと強く感じて欲しいと思います。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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