近々、家族揃って東京ドームでの野球観戦を計画しています。1球1球毎に緻密な戦略が練られているのかを注目しながら観ると、中継画面からは判らない違った楽しみがあります。
さて、データの重要視が主流のMLBで、「なんじゃ、こりゃ!」と口に出てしまう、珍しい守備隊形を敷かれた試合があったそうです。8月29日、サンディエゴにあるペトコパークで行われたパドレスvs.ドジャースとの1戦。2−2とお互いが譲らずに迎えた延長12回裏。1アウト満塁でパドレス側がサヨナラのチャンス。その一方で、ドジャースは絶体絶命の大ピンチ。
バッターボックスに左打ちのセス・スミス選手が立ちます。すると、ここでドジャースベンチが動きます。なんと、1、2塁間を4人に守らせるという奇妙な守備隊形を敷きます。「サッカーのFKでも阻止するつもり?」と突っ込みたくなるほど、セカンド/ファーストに続いてセンターとショートが駆け寄って横一線に並びます。何がなんでも、ライト方向へ打球が抜けない様にした守備隊形です。
ここで、もしバッターがレフト方向に流し打ちなどするものなら、完全にお手上げです。きっと、「スミス選手は引っ張る打球が多い」というデータがあったのでしょう。また、「僕なら、3塁方向にバントだな」とヒラめく選手もいると思いますが、バントをさせない心理戦が働いたのか、相手の思惑通りに右方向へ… 打球は、ゴロとなり1、2塁間に転がり本塁でフォースアウト。さらには1塁であわや「併殺も完成するのでは?」というタイミングでセーフとなります。さて、最終的な試合の結末ですが、実はこの次の打者にサヨナラ打を浴びてしまいます(悲哀)……
学童野球においても、試合中は相手バッターの打順や見た目の体格、スイングスピード、ファールが打ち上がった方向、前打席の結果を、ベンチスタッフが冷静に判断して、その瞬間に立っている守備位置とのズレを指示します。今回取り上げた奇策にお目にかかることはないでしょうが、バッターによって微妙に変わる守備隊形に関しては、ベンチから指示を受ける前に選手達自らが判断した守備位置にも注目してあげてください。対戦チームごとに見比べると、ちょっとした傾向が掴めてきて、さらに観戦の楽しみが増えますよ。
最後に、この近年でデータに基づく守備隊形を敷くチームが増えている例として、7月11日の巨人-阪神戦で、阪神の西岡選手に対する「内野5人シフト」の動画をご紹介します。この守備隊形が功を奏したのかどうかは、見てのお楽しみです。
まぁ、拙の独り言なんですけどね…