珍しい守備妨害1

学童野球でも実際に起きたプレーなのですが、3塁側ファールエリアに飛んだフライを追いかけた三塁手と、攻撃側の三塁コーチャーが接触した場合、どの様なジャッジが下るのでしょうか?

この試合では、ファールフライを追い掛けた三塁手のロッテ今江敏晃選手と三塁コーチャーのライオンズ奈良原コーチがぶつかり、今江選手グラブが弾かれて飛んでいってしまいます。素手の今江選手は一瞬茫然(ぼうぜん)となってしまいました。奈良原コーチ自身も逃げてはいますが、今江選手を避けることはできませんでした。ですから、捕球を故意に邪魔をしたことにはなりません。
野球規則では次の様に書かれています。

【公認野球規則6.01『妨害・オブストラクション・本塁での衝突プレイ』】(旧7.11)
(b)守備側の権利優先
攻撃側チームのプレーヤー、ベースコーチまたはその他のメンバーは打球あるいは送球を処理しようとしている野手の守備を妨げないように必要に応じて自己の占めている場所(ダッグアウト内またはブルペンを含む)を譲らなければならない
ランナーを除く攻撃側チームのメンバーが、打球を処理しようとしている野手の守備を妨害した場合は、ボールデッドとなって、バッターはアウトになり、すべてのランナーは投球当時に占有していた塁に戻る
ランナーを除く攻撃側チームのメンバーが、送球を処理しようとしている野手の守備を妨害した場合は、ボールデッドとなって、そのプレイの対象であったランナーはアウトとなり、他のすべてのランナーは妨害発生の瞬間に占有していた塁に戻る。

「原注」守備側の妨害とは、投球を打とうとするバッターを妨げたり、邪魔をする野手の行為をいう。
「注1」例えば、プレーヤーが2本のバットを持ってネクストサークルに入っていたとき、バッターがファウル飛球を打ち、これをキャッチャーが迫ってきたので、そのプレーヤーは1本のバットを持って場所を譲ったが、キャッチャーは取り残されたバットにつまずいたために、容易に捕らえることができたはずのファウル飛球を捕らえることができなかったような場合、プレーヤーの取り残したバットが、明らかにキャッチャーの捕球を妨げたと審判員が判断すれば、バッターはアウトになる。
「注2」例=バッターがショートにゴロを打ち、それを捕ったショートが1塁に悪送球した。捕りに行こうとした1塁ベースコーチは送球に当たるのを避けようとしてグラウンドに倒れ、悪送球を捕りに行こうとしたファーストと衝突した。バッターランナーは3塁まで到達した。妨害を宣告するかどうかは審判員の判断による。コーチが妨害を避けようとしたが避けきれなかったと判断すれば、妨害を宣告してはならない。

結局、このプレーに対し、3塁コーチャーへ「守備妨害」が宣告されます。しかし、記録上はファールフライを打ち上げたバッターの「守備妨害」となります。もちろん、そのバッターは打ち直しはできずにアウトとなります。コーチャーも試合出場選手の1人だったとしても、(やらかしてしまった)当の本人には記録が残りません

不思議ですね…

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