残酷な結末

高校野球は、各地区で熱戦が繰り広げられていますが、残酷な結末で甲子園への切符を逃したチームもあります。
先日行われた、青森県大会決勝戦 三沢商 vs.八戸学院光星では延長12回ウラ2アウトランナー1・3塁の場面、主将の鎌本憲右翼手(3年)が空振り三振を喫しますが、投球がワンバウンドでキャッチャーが後逸したため、振り逃げとなりました(4分17秒あたり)。その結果、3年連続甲子園出場中だった八戸学院光星を破り、公立校では96年の弘前実以来、19年ぶりの甲子園出場を果たしました。この動画には映っていませんが、光星の投手はしばらく立ち上がることができない程、泣き崩れていました。

一方で、三沢商は今春は県大会1回戦で敗退後に選手間で話し合い、「もう1度守備を鍛え直す」というチーム方針を決めたのだそうです。試合形式のノックなど、守備練習だけで終わる日があるほど徹底して強化した甲斐もあり、決勝戦では無失策を記録しました。
フォルコンズが行った合宿先でも、ホームからバックネットまでの距離があるグランドを使用しました。紅白戦では、これまでほぼ真後ろにあるネットのお陰で助かっていたパスボールワイルドピッチも、ランナーが1つもしくは2つ先に進めてしまう状況が何度か見受けられました。どんな投球でも送球でも、しっかり止めなければ、試合の勝敗を左右する結果になり得るということを感じながら観戦してください。

さぁ、今週末から秋季大会リーグ戦が再開されます…

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安全進塁権

プロ野球ペナントレース後半戦初日に、セ・パ両リーグで類似の珍プレーが起きました。
まずは、セ・リーグでは ヤクルト vs. 横浜DeNA戦。8-3とヤクルトリードで迎えた7回の守りで飛び出しました。この回先頭のDeNAバルディリス選手が放った打球は、フラフラと1塁後方のライン際へ。セカンドを守るヤクルト山田選手がグラブに当てながら落球(記録は失策)しました。審判の判定はフェアだったにも関わらず、カバーに入ったライトの雄平選手が、なんと「ファウルと思って」と勘違いし、ボールを拾うなりファウルゾーンにせり出したエキサイティングシートの観客へ、プレゼントしてしまいました。その結果、バルディリス選手は3塁への進塁を許す結果を招きました。

続いて、パ・リーグでは、日本ハム vs. 楽天戦.。日ハムが2点を追う6回1死ランナー1塁の場面でレフトフライを捕球した西川選手が、3アウトと勘違いし、観客席へボールを投げ入れてしまいました。その結果、1塁走者は3塁への進塁を許してしまいました。打者にはレフトフライが、また進塁を与えてしまったレフトには失策が記録されます。

なぜ、2つ先へ進塁が認められるのでしょうか? 公認野球規則に沿って解説します。

【公認野球規則7・05(g)2個の塁が与えられる場合】
送球が(中略)スタンド、またはベンチに入った場合。(中略)審判員は2個の進塁を許すにあたって、(中略)悪送球が野手の手を離れたときの各走者の位置を基準として定める。送球が、スタンドやベンチなど(野手がそれ以上追えない場所)に入ってしまった場合。この場合はボールデッドになる。全進塁権を認める基準となる塁は、悪送球が、打球を処理した直後の内野手の送球である場合は投球時に占有していた塁、それ以外の場合は野手の手からボールが離れたときに占有していた塁となる。ただし、打球を処理した直後の内野手の送球であっても、すでに打者走者を含む全ての走者が1個以上進塁している場合は、野手の手からボールが離れたときに占有していた塁を基準とする。

学童野球でも4年生以下の低学年または5年生以下のジュニアの部の試合で、投手を含む内野への返球が悪送球となり、観客側(ボールデットゾーン)にボールが転々となることがあります。この状況での進塁を認める場合は、直前のプレーが完了した際にランナーがいた塁を基準に、2つ先の進塁が認められます。意図的なプレーではないのは痛いほど伝わりますが、つくづくキャッチボールの大切さを感じる瞬間でもあります。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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