準備が大切 (守備編)

2014年第96回全国高校野球選手権大会第3日目、第2試合では春夏通じて初出場の鹿屋中央高(鹿児島)が10年ぶり4回目出場の市和歌山高(和歌山)と対戦しました。この大会初の延長戦に突入した熱戦は延長12回、鹿屋中央高が1アウト1、3塁というサヨナラの場面を作ります。 守備側(市和歌山)は、タイムを取って布陣を確認し、その結果、内野手、外野手もバックホーム体制の前進守備を引きました。その直後、前進守備をしているセカンドのやや横に打球が飛びましたが、上手く捕球します。ここで、3塁ランナーはスタートを切っていたため、観ている誰もがバックホームをすると思いましたが、セカンドの選手は1塁へ送球してしまい、サヨナラ負けを喫するという幕切れが起こりました。

セカンドの選手は守備が上手で、ミスなどは少ない選手だったという印象です。試合後、頭が真っ白になってしまったという談話がありましたが、その心境は理解できます。そして、改めて勝負の残酷さを痛感しました。大舞台での試合でなければ、その様なプレーはしないでしょうし、個人的にも気が利かないと務まらないセカンドいうポジションを守る選手ですから、本当に何が起きたのか、何をしてしまったのか、本人もその瞬間は分からなかったのではないかと想像しました。学童野球で頑張る小学生だけでなく、高校生でも、プロ野球の名手と言われる選手でも、誰だって冷静さを欠くことはあります。それをいかに少なくするか、なくしていくかが、次の成長につながります。そのために、日頃の練習試合からアウトカウントボールカウントスコアボードの得点表を振り返り、状況を確認するクセを身に着けてほしいです。選択したプレーが正しかったのか否かを試合後に振り返り、確認していく作業が非常に大切になってきます。

「次にどんなプレーをするか」の選択の精度を上げるという作業は、練習や試合でしか経験できません。特に、一瞬のプレーにおいては、いくら戦況を冷静に観ている監督やコーチといえど、無力です。フィールドに立ってプレーしている本人の決断次第です。今なら、いくらでも失敗できます。大舞台に立っても、瞬時に判断できる経験値をドンドン増やしていってください。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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準備が大切 (走塁編)

練習試合で審判のお手伝いをすることが決まると、高い確率で主審、次いで2塁塁審の担当が多くなります。
2塁塁審は、他の塁審と比較して、目の前の塁にいるランナーの動きが見えずらいことにあります。具体的には、投手が投球動作に入った時に、ランナーではなく、投手とその先の本塁付近に意識が向くからです。もちろん、どれ位のリードをしているのかなど、2塁ランナーの位置は横目でチラリと見ますが、視線の先には投手の動きが映り、2塁への牽制球が生じれば、そのボールの向かう先に注目します。

さて、0アウト・ランナー2塁という場面があったとします。このケースでは、攻撃側ベンチからの指示は、こんな感じで聞こえてきます。

ランナー!
自分より右側の打球はストップ、抜けたらゴーだよ!
自分より左側の打球はゴー、ピッチャーゴロはストップ!
外野まで飛んだらハーフウェイ、ライナーはバック!
外野手が捕球姿勢に入ったらタッチアップ!

恐らく、この時のバッターへの指示は「打て」なのでしょう。どこに飛んでくるか判らない打球に対して、2塁ランナーは次の塁を狙う準備が必要になります。特に、外野の守備位置を気にしないといけないことから、ランナーとして出塁したら色々なことを確認するクセと、次の準備へ頭を整理しなければなりません。 ただ何も考えずにリードだけをしていると、バッターが初球を打ち返した時点で、突然慌て出しますよね?一番困るのは、ハーフウェイでオドオドしてしまうことです。

0アウトの場面ですと、打順によってはそのバッターに「バント」のサインが出るケースもあり得ます。その場合、サードの守備位置が定位置よりも前に移動します。ショートは、打球に応じて3塁ベースに向かいますので、この3塁ベースが空く様なケースでは、バントだけでなくサードゴロでもゴー!と指示する場面に、過去に1度お目に掛かりました。そんなチームに所属していたら、サードの守備位置も確認する項目に加えておく必要があるわけです。

学童野球では、試合を行うグランドの広さも様々です。外野飛球に対する走塁ルールをどこまで決めるかにもよるのですが、外野の広いグランドで試合を行う際、2塁ランナーへの走塁ミスを減らし、相手チームの守備力を考慮に入れ、1つでも先の塁に進む指示が出ます。

例えば、0アウトの場面で外野飛球への決め事(ルール)がタッチアップだとします。
惜しくも飛球が取れず、外野に抜けてしまったのに2塁ランナーがホームに帰れなくても、0アウト2・3塁ならチャンスはさらに広がります。
外野のナイスキャッチでも、捕球後の態勢や捕球位置によっては、タッチアップ1アウト3塁に変わるだけです。

それでは、甲子園大会における2塁ランナーの走塁シーンをご覧戴きます。この走塁ですが、選手の咄嗟(とっさ)の判断と感じました。なぜなら2度のケースで一気に本塁まで向かって行ったからです。一方で、これを積極的な走塁と見ることもできるのですが、本塁でアウトになってしまいます。2塁から一気に本塁へ突入するつもりでも、3塁コーチャーの判断と指示がより重要になってきます。

来月には、5年生以下のフレッシュなチームが、いよいよ本格的に始動します。走塁ミスをドンドンする代わりに、ベースに立ったら、まずチーム内の決め事(ルール)を整理するクセを付けていきましょう!

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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