プロへの条件2

息子が縁で、連合チームの監督さんと会食する機会があったのですが、ご自身の肘の傷を見せて戴いたことがあります。高校野球でネズミ(遊離骨)の手術跡だそうで、いつ頃から肘痛に悩まされていたのかと聞くと、学童時代から違和感を感じていたと仰ってました。
後日、偶然にもこの監督さん以外から、「小学生の時はすごかったけど、高校でヒジを痛めて野球を断念した」というお話を聞いたのですが、もしかしたら痛めた原因が同じく学童時代にあるのかもしれないと感じました。近年、多くの整形外科の先生方が、小学生の野球ヒジに関して警鐘を鳴らしています。全国的にも野球肘の集団検診や、講習会などが開かれるケースが増えてきており、息子が所属していた学童軟式野球連盟でも2年前から新6年生バッテリーを中心に肘検診が始まりました。柔軟性チェック超音波検査器(エコー)で肘の骨軟骨の状態をチェックするという内容です。
野球肘検診
筑波大学野球部のチームドクターをされている専門医の方が、

入学前にひじ痛を経験した選手は、経験していない選手の30倍の確率でひじ痛を発症する

というデータを公表されていました。調べてみると、問題は小学生がまだ成長の途中のため、その時点のわずかなヒジの異変でも、その後ずれた状態で成長することによって、将来重大な問題になってしまう可能性があるらしいです。とある整形外科の先生は、「プロになる選手は、あまりに力がありすぎるために、小学生の時は軽く投げて勝てたからたまたまヒジを痛めなかったのではないか?」という仮説を唱えているほどです。実際には、障がいに意識の高いチームにいたとか、補欠や他のポジションだったとか、弱いチームで試合が少なかったとか、それぞれに様々な事情はあるでしょうが、小学生の時にたまたまヒジを痛めなかった才能のある選手がプロの投手になっていると言えるのかもしれません。
成長が終わっている我々大人の体と、成長の途中である子供の体は、 根本的に違うということを再認識する必要があります。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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プロへの条件1

卒団生の親子を球団旗の前に立ってもらい、一言ずつ喋ってもらった様子を撮影するのが、フォルコンズの伝統になっているそうで、もちろん今年も実施しました。カメラに向かって殆どの選手達が口にする、「将来はプロ野球選手になる」という言葉はいつも微笑ましく感じられます。
さて、彼らが一度は目標に掲げる、プロ野球の投手は東大よりもはるかに狭き門で、選りすぐられたエリート中のエリートです。同学年で考えた場合、400~500の小学校に1人しかプロの投手として指名されないという現実があります。そうなると、「小学生の頃から野球の才能がズバ抜けて大きな大会で活躍していた」と考えるのも不思議ではありません。実際に大谷投手藤浪投手など小学生から全国大会で活躍し続けてプロになった投手は、実在します。しかし、プロの投手の中で小学生時代(もしくはリトルリーグなど)に全国大会に出るなど大活躍した選手は、全体の5%程度しかいないと言われています。中学生時代となると約20%高校生時代でも40%弱が大きな大会で活躍した選手です。
もっと驚くべきことは、約30%の投手は、小学生時代チームのエースとして投げていないのです。

その内訳を調べた方のデータを拝借します。

投手以外のポジションだった選手、約14%
中学生から野球を始めた選手、約8%
小学生時代控えの投手だった、約4%

一番長い期間プロで投げた山本昌広投手も、小、中学生の時は補欠だったと公言されていましたし、田中将大投手も小学生時代はキャッチャーでした。 ずば抜けた才能に恵まれているはずのプロの投手が、必ずしも小学生から活躍しているわけではないのはどういうことなのでしょうか?

今回ご紹介する動画は、世界最速171kmのボールを投げる、アロルディス・チャップマン投手です。彼が何歳から投手としてマウンドに上がったのかにも注目してご覧ください。

次回は、逆の視点から「小学生時代に大活躍した多くの選手が、プロになれないのはどの様な理由があるのか?」について、考えてみたいと思います。

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