どちらが悪いのか?

イチロー選手が所属するマーリンズがブルワーズ戦に4−1で勝利した試合で、珍事が起きました。0ー0の2回、1アウトランナー1類の場面で、リアルミュート選手センター左に飛び込む今季第3号ホームランを放ったのですが、帰塁しようとした一塁ランナーのマルセル・オズナ選手を追い抜いたことでアウトとなり、シングル・ヒットでのタイムリー判定が変更されました。つまり記録上は、リアルミュート選手のホームランはシングル・ヒットに変更され、オズナ選手の得点のみが認められた格好となります。

さて、そのシーンを観て気付いた事があります。リアルミュート選手が1塁を回ると、1、2塁間で打球を確認していたランナーのオズナ選手は、センター方向の深い打球にタッチアップしようとしたのか、ダッシュで1塁に帰塁します。その一方で、リアルミュート選手は打球の行方を目で追っていたため、オズナ選手の帰塁に気づかず、1塁ベースを回ったところで追い抜いたのだと感じました。
どちらのランナーが悪いのでしょうか? 個人的には、やはりバッター・ランナーの様な気がします。塁上のランナーは、フライとなる事を想定して、タッチアップに備えます。学童野球でもランナーが2塁・3塁にいたとしたら、そのランナー達はまずタッチアップに備えると考えられるからです。

いつか、「自分の打球を見届けると、前を行くランナーをも追い抜いてしまう可能性がある」という教材にしてみるか。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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ランナーの意識

通勤途中、インターネットでスポーツ紙を読んでいたところ山田哲人選手に関する記事に出くわしました。昨年トリプルスリーを達成した山田選手ですが、2014年シーズンの盗塁数は15、2015年が34ということから、2倍以上に増えた形ですが、プロ選手と言えど、1年で単に足が速くなったとは考えにくいです。その記事には、現役時代に2度の盗塁王に輝いた福地コーチと色々な決めごとをし、引き出しを増やした結果と書かれていました。リードやスタートの仕方、フォーム、重心の位置、どこからスピードを上げるかなど、盗塁という1つのプレーを細分化し、それぞれのレベルを上げることで成功する確率を上げたのだそうです。
最も変わったのが、リードを取るタイミングだと語っています。「少しリードを取るのが遅かったので、投手がセットポジションに入る前に動くようにさせた」ところ、タイミングを早めることで投手の動きや表情などさまざまな情報を得ることが可能になり、余裕が生まれた様です。走塁でも、大切なのはやはりメンタルなんですね。

実際にやってみると判りますが、走塁はどうしても「受け身」になりがちです。特にやっとの想いで出塁できた選手にとっては、ベース上で喜んでいるヒマはありません。サインを確認し、リードを取り、投手や捕手の牽制を常に警戒し、打球がどこに飛ぶか、ゴロなのかフライなのか、などを判断してから・判断しながら走ることを同時に行う大変な作業が待ち受けているからです。

ここでもう一人、この連休中の試合で大きなプレーをやってのけた、梶谷選手を紹介します。

1回裏の攻撃で観た相手投手の牽制球で「いけるな」と思ったそうです。1回ノーアウト1塁。打者桑原の初球に入った緩い牽制球に着目していました。「速い牽制はない」と洞察から得た確信を一旦懐にしまい、自身の打席で石川が珍しく、通算7個目のボークを犯したことも記憶していました。セカンドゴロで1塁に残った後、ロペス選手のヒットで2塁に進み。3塁への盗塁を決めます。1塁はロペス選手がいます。「フルカウントでけん制の確率は上がる。ロペスに速い牽制はない」と事前に得ていた情報を整理して裏打ちし、腹を決めたのだそうです。左投手は背中越しの3塁ランナーは、基本見えません。案の定、探りの緩い球を投げた瞬間、思い切ってスタートを試みます。予め、手から滑ることも決めていたそうで、ビデオ判定の結果、ホームインが認められました。

次にやるべき事を一旦整理し、「受け身」にならず、思い切った気持ちがホームスチールを生んだ格好です。映像からは派手なプレーという印象だけが伝わってきますが、落ち着いて準備を怠らなかったところは、是非とも参考にしたいプレーですね。

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