皆さんは、ウォーレン・クロマティーという選手をご存知でしょうか?
大リーグのモントリオール・エクスポズから83年オフに読売ジャイアンツに入団し、1989年に打率・378で首位打者とMVPに輝くなど、7年間プレイをした球団史上最強の助っ人です。どんな選手だったかと申しますと、
最近では、こんなCMにも登場されていました。
野球面白CM1
さて、その彼がスポーツ新聞に【元巨人 クロマティが斬る】というタイトルで、幾つかの記事を寄せているのですが、イチロー選手についてMLBにもたらした功績の大きさを語っています。その一部をご紹介します。
イチローがメジャーで成功できたのは、メジャーにアジャスト(適応)できたからだ。日本では右足をあげる“振り子打法”だったが、これをやめた。日本なら投手の球にスピードがなく、振り子でも対応できたが、マリナーズに移籍すると封印。メジャーの剛速球に反応できるようにした。
同時にゴロを転がす打法に変えた。日本では鋭いライナーを飛ばす選手だったが、メジャーでは抜群の俊足を生かし、内野にゴロが転がればセーフになった。
イチローがMLBにもたらしたものは非常に多い。試合前のストレッチと準備運動もその1つだ。アメリカ人にとっては過去に見たことのないものだった。シアトルにやってきた相手球団の選手は、イチローの一連の動きにくぎ付けになった。オン・デッキ(ネクスト・バッターズ・サークル)での、屈伸運動をまじえたイチローのルーティンもメジャーリーガーには目新しかった。
その気になればもっとホームランを打てただろうが、そうすると打率が下がる。ハンド・アイ・コーディネーション(目で捕らえたものを手に連動させる能力)は「すごい」の一語だった。
引用元:【元巨人 クロマティが斬る】殿堂入りは確実…イチローがメジャーにもたらしたもの
この記事でハンド・アイ・コーディネーションという言葉が出てきます。簡単に言ってしまえば、当て勘という表現に相当すると思います。色々調べてみると、目で捕らえて、どの辺にボールが来るかを予想し、そこへ正確に手を移動させるという技術です。低学年選手の中に、見逃せばボールのコースでも上手くバットに当てる選手がいます。ストライクゾーンをまだ理解していないその選手がボールをバットに当てられた理由として、このハンド・アイ・コーディネーションが上手く働いた結果だとすると、合点がいきます。バッティング練習にて、「よーくボールを観て」と指導するシーンがありますが、実際問題ある球速を超えると、バットにボールが当たる瞬間を観る事が難しくなってきます。野球の場合は手元から数十cm離れたバットの芯にボールを当てる事が求められますから、それだけ難しい事を小学生選手達はやってのけようとしている訳です。ハンド・アイ・コーディネーションという技術は、ショートバウンドやイレギュラーした打球を捕球する動作でも活かされていると思うのです。捕球動作の基本として、「脚を使って体の正面に」というフレーズはよく使われますが、もしそれだけに固執し過ぎると、その技術の妨げになる可能性を大人の責任として感じ始めています。低学年時代に上手くバットに当てていたのに、守備力向上やスイング改善、身長の伸びに反比例して、当て勘が失われていった選手達をつい最近目撃した事がキッカケです。原因は一つではない事も承知しているので、その様な選手の特徴については、別の機会でつぶやきたいと思いますが、今回は損なわれつつある当て勘を取り戻すメニューはないものかと考えながら動画を探していると、面白そうなトレーニングに出会いました。
実は、ある選手にこのメニューを試したところ、その日の練習試合で空振りが減ってファールが増えた事から、効果はあるのではと感じています。このトレーニングのポイントは、脚を動かさず、できるだけ上半身を動かさず、目でボールを追ってハンドリングでボールを捕るという事だと感じます。目の使い方を鍛える事ができますし、内容的にも家の中でスポンジボールやゴムボールがあれば、闇練として取り組む事ができます。一見不思議な練習に映るかもしれませんが、高学年になってどんなにキレイなスイングを習得しても、当て勘がなければヒットや長打は打てないという事を、まず選手自身が理解する必要があります。
まぁ、拙の独り言なんですけどね…