読売ジャイアンツでプレーし、引退後、野球評論家やタレント、実業家などマルチな活動をしていた元木大介氏が、8月3日から開催される「カル・リプケン12歳以下(U12)世界少年野球大会」の日本代表監督にプロ経験者として初めて就任するという報道がありました。拙の知る限り、現役時代の元木氏は実にクセ者と言われる選手でした。時には頭脳的プレイで隠し球を成功させたり、何をしでかすか分からないというプレイヤーでした。珍プレイ・好プレイという特集番組でも、隠し球未遂事件(?)の様子が取り上げられていました。(1分05秒辺り)
ところで、このU12の日本代表チームは「チーム星野」として2007年からボーイズリーグとヤングリーグで結成され、そのチームへの監督は故星野仙一氏が生前に元木さんへ就任を打診していたのだそうです。今回の就任にあたり、インタビュー記事がスポーツ紙に掲載されたのですが、その内容が非常に興味深かったので引用してご紹介します。
野球とは、「流れ」というものが非常に重要なスポーツであって、流れのやり取りのなかで、それをつかんで離さなかった方が勝利を手にすることができるのだと。「だからね、俺は流れを変えられるようなプレーヤーを目指してきたの。本当に相手が嫌がることとか、何か隙を見つけてとか、っていうのは、試合の流れをちゃんと見てないとできないからね」。現役時代に自ら先頭に立ってヤジ将軍を務めたのにも、だから理由があった。
「ベンチでさ、ボールを見ていないと、プレー見てないと、ヤジれないの。声出せないの。だから、若い選手には、今の少年たちにもそう言うんだけど、まずとにかく、一番前に座って声を出しなさいと。何でもいいから、声を出しておけ、と。そのプレイに対して声を出しておけば、そのプレイをずっと見ていることになるから。勉強になるから。流れを読めるようになれば、試合のなかでの自分の役目も分かってくるようになって、準備もしっかりできるようになる」
そんな考えの源流は、これまでに出会ったさまざまな指導者から学び得たものでもあるが、特に、巨人の2軍監督やヘッドコーチなどを歴任した須藤豊さんの教えが強くある。
「すーやん(須藤さんの愛称)が、相手投手が牽制したらベンチから走者に向かって大きな声で『バック!』って言えって、よくね。なーんで言わなきゃいけないんだ、ちゃんと(ベースに)帰るよ、プロなんだからって最初は思ったりもしたんだけど、やっぱりそれもプレイを見ておけってことだったの。自分がランナーで出た時も、牽制で、何かしらピッチャーのクセでも見れるんじゃないかな、ってことだったのよ。だから、少年野球で教える時でも、ベンチでは牽制したら、みんなでまず『バック!』って言いなさい、って。俺が教わったことでいいことだな、と思うことは子供たちにもね」
引用元:“クセ者”が元木ジャパン監督になったワケ?
野球を始めて間もない選手が試合でベンチに入った際、まず仲間への応援を教わります。試合慣れしていない選手が低学年の場合、暇を持て余す仕草を見せる事もあるでしょう。時間が経つと、好きなプロ野球選手の応援歌を替え唄にしてみたり、知り合いのチームがやっている掛け声を真似してみたりと、彼らなりに試合に出場している選手を精一杯応援する様になりますし、コーチャーへ入れば一緒に戦う味方選手への指示も経験します。始めた頃は、とにかく周りを観る余裕もないでしょうが、プレイに合わせて声が出せるという事は観察できている証拠ですし、その瞬間は試合に集中できていると感じます。
「なぜ声を出すのか?」
仲間を応援するだけの理由に終わらず、自ら声を出す事がこの先どんな発見に繋がるのか、少しずつ伝えていけたらと思います。
まぁ、拙の独り言なんですけどね…