高校野球県大会の熱戦の様子が全国各地より聞かれる季節となりました。2018年は、第100回を記念し従来の北海道と東京に加え、第98回大会の地方大会で参加校が多かった上位7大会(愛知、神奈川、大阪、千葉、兵庫、埼玉、福岡)を2つの地区に分け、合計56代表校で実施されます。さて、先日の奈良大会(生駒 vs.大宇陀)でこんなシーンがありました。10分50秒辺りからのプレイにご注目ください。
9回2アウトまで追い詰められた生駒高を救ったのは強打の4番打者角井亮太選手のひらめきでした。
同点のランナーが3塁におり、角井選手は1塁へ敬遠されたのですが、小走りのまま1塁ベースを踏むと、そこからスピードを上げて2塁へ向かいます。驚いた大宇陀高の捕手は、投手への返球を浮かせてしまいました。
「相手も焦ってると思い、『いけるやろ』と判断しました」
この悪送球の間に3塁走者井上直樹選手がホームインし、同点に追いつきます。
攻撃側のひらめきと守備側の油断が生んだ、珍しいプレイでした。
小学低学年での試合においては、2塁盗塁の成功確率が高い事から、バッターランナーが四球後にそのまま2塁へ進めてしまうケースが見られますが、野球がしっかりしてくる高学年になると、四球後の目配りをキャッチャーには求める様になります。
敬遠四球直後は、キャッチャーの返球は山なりのボールが行きがちです。各野手は試合中の送球が安定する様、どんな時もしっかりとボールを返す意識が必要だと思います。