完全捕球の定義

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週末の台風による影響で、夏の甲子園本大会は2日遅れで開幕しました。今回は、本大会2日目に登場する愛知県代表の東邦高校が、地区予選中に遭遇した珍しいシーンを紹介します。ネット上でも、ちょっとした騒ぎになった様です。愛知大会準決勝戦、対豊田西戦において、東邦が3-1で迎えた7回2死一、二塁の場面です。東邦の打者が放った打球を、豊田西のセンターが一度グラブに収めたのですが、ボールを持ちかえようとしたのか、その後グラブからボールがこぼれてしまいます。0分14秒あたりです。

豊田西の守備陣は、3アウトを信じて、捕球したセンターを含めてベンチに戻ります。対する東邦の走者も攻守交代のために、ベンチに戻りかけるのですが、三塁ランナーコーチから「走れ、走れ」の声があったそうです。ボールを落としたことを目視した1塁塁審が両手を大きく広げてセーフのポーズをします(1分1秒あたり)。完全に捕球したという判断を下さなかったのです。これにより、塁上にいた2人に加え、センターフライを放った打者も生還して3得点が認められました。このシーンですが、ランナーが一、二塁にいるため、捕球のジャッジは1塁塁審が行います。

公認野球規則(2・15)から、部分的に抜粋しますと…

野手がボールを受け止めた後、これに続く送球動作に移ってからボールを落とした場合は、捕球と判定される。要するに、野手がボールを手にした後、ボールを確実につかみ、かつ、意識してボールを手放したことが明らかであれば、これを落とした場合でも捕球と判定される

「グラブにボールが収まってから、何秒経過すれば完全捕球か?」という規定は存在しません。非常に曖昧なところですが、外野フライの場合、塁審が「キャッチ」とコールするか、ボールをしっかり持ちかえたことをアピールすれば、完全捕球と判断されるのです。
ですから、このシーンにおいては落球と取られても仕方ないですね。右手(投げ手)に”持ち替えて”から返球動作の時に落とせば、完全捕球と認められますが、一旦捕球したものの右手に移る前にボールが落下しています。2アウトですから、捕球後に内野にすぐ返球する必要はありませんでした。「確実に捕球した」と明確なアピール(動作)をすれば、捕球と認められたと思います。

この様なプレーが、仮にダイビングキャッチだったとしても、捕球後の次の動作が認められないうちにボールがこぼれれば、セーフになってしまいます。プロ野球でも、こんなシーンがありました。0分7秒あたりです。

阪神の福留選手には気の毒ですが、このファインプレーにおいても完全捕球とは認められません。

落球と判断され、しかも終盤で3点を失った豊田西高ですが、一旦引き揚げたベンチから走って戻り、切り替えてプレーを続けたところは素晴らしいと感じました。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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