プロ野球も交流戦のシーズンが始まりました。阪神タイガースと千葉ロッテの試合が行われた翌日、こんな記事が掲載されていました。
虎党の大歓声が一瞬にして深いため息に変わった。1点を追う9回1死三塁。高山が益田の148キロの直球を捉えた一打が左前へ。清田に横っ跳びで好捕され、同点の本塁へ向かって走っていた三塁走者・植田は戻れなかった。併殺での試合終了。決して走塁ミスなどではなく、矢野監督が攻めた結果だった。
「俺がそういうサインを出しているんだから。別に海(植田)を責めることはない。俺がそういう指示を出しているんでね」
植田も「サイン通りです」と強調し、下を向かなかった。1点を奪えば延長戦へ持ち込める状況。バットに投球が当たった瞬間に突入する「当たりゴー」の作戦だった。前進守備の正面へ内野ゴロが飛んだとしても勝負できる反面、相応のリスクと背中合わせのギャンブル。たとえ裏目に出ても、勝負に出た末の結果に悔いはなかった。
引用元:阪神・矢野監督、最後のサインは“当たりゴー” 植田をかばう「俺がそういうサインを出した」
では、実際のプレイを動画で観てみましょう。
まず、「当たりゴー」という言葉に違和感を覚えたのですが、「ギャンブルスタート」の事だった様です。拙だけが取り残されていたんですね…
当たりゴーですから、ランナーにはバットに球が当たる瞬間に本塁めがけてスタートを切ることが求められます。ここで、「ゴロゴー」と比較してみます。
ゴロゴー
バッターが打ったボールが「ゴロ」だと判断してからのスタート
当たりゴー
バッターがボールをバットに当てたのを確認してからのスタート
特に「当たりゴー」の場合、「ゴロゴー」よりもスタートが早くきれる反面、打球がライナーの場合はゲッツーの可能性もあるリスクの高い作戦と言えます。
この2つの作戦で共通するのは、バッターにはゴロを打ってもらいたいという事です。
しかし、髙山俊選手はレフトへのライナーでした。ライナーになってしまったのだとすると、3塁ランナーの植田海選手に求められるプレイは、打球が上がった時点で、3塁へ帰塁すべきなのではと感じました。
さて、今を遡る事5年前、ゴロゴーによる失点を防ぐために、極端なシフトを敷いた試合がありました。阪神タイガース vs. 読売ジャイアンツ10回戦でのプレイです。
ご覧の通り、西岡剛選手は青木高広投手の球を捉え、打球はゴロにはならずにセンターに落ちる2点タイムリーヒットとなりました。このプレイでは、動画を観る限り、阪神が当たりゴーの指示は出ていません。極端な守備シフトを敷いていますが、速い打球はともかく緩いゴロならピッチャーゴロ以外は生還できのではと、その守備隊形へは正直疑問を抱きました。
変化球が投げられる中学野球レベル以上になれば、ゴロになりやすい配球でバッターを攻める事を学ぶのでしょう。ですが、それにはバッターのスイング軌道を観察し、特徴をいち早く掴む必要が求められます。
学童野球に当てはめ、今回のプレイから学べる事として、ランナーが知っておくべき情報はライナーバックなんだと感じます。
まぁ、拙の独り言なんですけどね…