アウトのなり方

通勤途中で巨人-阪神戦の記事がふと目に入ったのですが、前日の試合でこんな事があったそうです。

ついに借金10…金本監督 怒りの円陣「9回2死満塁の気持ちで」

2回に異例の早さで円陣を組み、金本知憲監督(48)が「9回2死満塁くらいの気持ちで全打席行け」とゲキを飛ばしたが、残念ながら結果には反映されなかった。

阪神ベンチ前で円陣

 試合前のミーティングで相手先発・田口の直球を狙い、低めの変化球を捨てる方針を確認していた。だが…。先頭の上本は直球を2球連続で見逃し、内角低めのワンバウンドするスライダーで空振り三振。続く鳥谷は変化球で追い込まれ、外角高めのボール気味の直球に手を出して空振り三振に倒れた。覇気の見えない2人の三振に、金本監督の表情が変わった。
 「初回のあの2人(上本、鳥谷)の三振を見たら、分かるでしょ。終盤になって、やっと点を取るというパターンが多いから。もう最初から、1打席目から9回2死満塁くらいの気持ちで全打席行け、と。そうしたら、ああいう三振も起きないでしょ。そういう意味、そういうこと(を円陣で言った)」
 まだ試合が始まったばかりの2回表。その攻撃前に三塁側ベンチ前で円陣が組まれた。通常、打順が一巡した場合などに見られる光景が異例の速さで繰り広げられた。普段なら片岡打撃コーチが指示を与えるのだが、この日はそこも違った。指揮官自ら中央に立ち、怒りの形相で野手陣に厳しい言葉をまくし立てた。「気持ち」が見えなかったからだった。

「1打席目から9回2死満塁くらいの気持ちで全打席行け!」という、金本監督のゲキにちょっとした疑問を抱きました。理由は、このゲキが合う選手と、ハマらない選手がいるんじゃないかと感じたからです。同じ状況下でも選手の性格によって、捉え方に違いがあります。特に前者の場合、追い込まれた状況に強い選手というのは、確かに見る者を魅了するでしょうが、例えば開き直って打席に立った方が打ててしまう選手がいれば、とにかく必死に食らいついて気持ちで打つ選手もいます。
そんな事を考えていたら、選手達がアウトになった時、彼らに対して「アウトになり方に良い悪い」という表現を使って評すること自体、本当に相応しいのかを考えさせられました。

学童野球のベンチスタッフは、ボール球を振ってフライを打ち上げた時や、見逃し三振でアウトになった時のイライラを見せることはあっても、それ以外のケースでは「そのアウトのなり方は悪くない」という接し方をしています。思い返せば、息子の学童時代には、「あれはアウトになったけど、内容は悪くはなかった」と言った事が何度もありました。
ですが、中学へ進んでからは、「アウトのなり方に良い悪いはない」と伝えています。常にヒットを狙いに行くために、打席ではしっかり振ってほしいと思うからです。打ちに行った結果が高く打ち上げたフライだったり、ボテボテの内野ゴロだったり、力のない空振り三振を喫した時は、恐らく何かに迷ったまま終わってしまったのだろうと想像します。打席で振れなくなる選手に、そう多くのチャンスを与えてはもらえなくなるでしょうから、打てると思ったボールをしっかり打ちに行くことを常に心掛けてほしいと願っています。それでも結果が伴わない時は、スイングとか、ボールを見極める技術とか、タイミングの取り方に工夫を凝らすとか、目の前の課題を克服するための練習を人一倍積んでいけばよいと思うのです。

まず打席に入ったら、どんな打球をどこに飛ばすのか、具体的な目的を持って臨むことが大事なのでしょうかね…

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