悪気はないけれど

プロ野球交流戦も終盤に差し掛かってきました。先日の巨人 vs. 楽天戦でオコエ瑠偉選手ファールフライ観客が捕球してしまうという珍事が起きました。

ファールフライと捕球したのは、長野選手ではなく観客なのですが、次のルールが適用され、バッターであるオコエ選手アウトとなりました。この観客は、思わず飛んできたボールを一心不乱で捕球したのだと思います。悪気は感じられませんが、バッターにとっては不運でした。さて、アウトとなる理由ですが、公認野球規則では次の様に記されています。

【公認野球規則3.16 (旧3.16)】観衆の妨害
(打球または送球に対して観衆の妨害があったときは、妨害と同時にボールデッドとなり、審判員は、もし妨害がなかったら競技はどのような状態になったかを判断して、ボールデッド後の処置をとる。
【付記】観衆が飛球を捕らえようとする野手を明らかに妨害した場合には、審判員は打者に対してアウトを宣告する。
(中略)
【原注】観衆が競技場内に入ったり、身体を競技場の方へ乗り出して野手の捕球を明らかに妨害した場合には、打者は観衆の妨害によってアウトが宣告される。

日本の球場でもMLBを模倣しているのか、プレーの臨場感を味わうという目的で、ファールエリアや外野フェンス手前に、カメラマン(記者)席と同じ高さで観戦できる「特別席」を設ける傾向にあります。
次の動画の様に、身を乗り出して明らかなファールボールを取った場合であっても、バッターがアウトになってしまいます。

学童野球でも、バッターボックスとベンチの距離が近く、ボールボーイ役の低学年が親切心で、ファールボールやキャッチャーのパスボールを拾い上げてしまうことがあります。
この場合もバッターはアウトの対象になるのですが、低学年選手相手にルールを振りかざすのは酷ですので、その辺は両軍監督の理解を戴いて1回はナッシング(無かったこと)にしてもらっています。まぁ、ベンチから身を乗り出して指示をする熱い監督さんも、ファールボールを素手で捕球してしまうことがありますからね。

最後に、フェアとジャッジされた打球も野手以外の人が捕球すると、守備妨害が適用されボールデッドとなり、バッターはアウトとなります。この画像は、実際に触れてしまったシーンです。

この時期になると、低学年メンバーのボールボーイ役も板に付く頃なので、誤解のない様に説明が必要ですね…

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