以前、下記について触れたのですが。
公認野球規則においても、1月29日付で正式に採用されました。基本的に、学童野球は全国軟式野球連盟で採用するルールに基づいて、試合が運営されます。では、改めて一番大きな変更点をおさらいしますと、
・キャッチャーのブロック禁止
・ランナーのタックル禁止
もう少し詳しく書きますと、
・危険なブロックは禁止→違反した場合は走塁妨害
(キャッチャーは走路をふさいではいけない)
・ランナーは危険なタックル禁止→違反した場合は守備妨害
となります。
そうなると、「追いタッチでセーフになる」ケースが増えると予想されるのですが、どうもモヤモヤ感が拭えなかったので、考えてみました。
例えば、
「ホームベースは開けておかないといけない!」
とか、
「キャッチャーは走路を踏んだらいけないんだ!」
と解釈してしまって良いのか…
ここで、野球規則改正を説明したページ(←ココをクリック)を開けてみると、こう書かれています。
【公認野球規則6.01】
(i)本塁での衝突プレー
(1)得点しようとしている走者は、最初から捕手または本塁のカバーに来た野手(投手を含む、以下「野手」という)に接触しようとして、または避けられたにもかかわらず最初から接触をもくろんで走路から外れることはできない。もし得点しようとした走者が最初から捕手または野手に接触しようとしたと審判員が判断すれば、捕手または野手がボールを保持していたかどうかに関係なく、審判員はその走者にアウトを宣告する。その場合、ボールデッドとなって、すべての他の走者は接触が起きたときに占有していた塁(最後に触れていた塁)に戻らなければならない。走者が正しく本塁に滑り込んでいた場合には、本項に違反したとはみなされない。
【原注】走者が触塁の努力を怠って、肩を下げたり、手、肘または腕を使って押したりする行為は、本項に違反して最初から捕手または野手と接触するために、または避けられたにもかかわらず最初から接触をもくろんで走路を外れたとみなされる。走者が塁に滑り込んだ場合、足からのスライディングであれば、走者の尻および脚が捕手または野手に触れる前に先に地面に落ちたとき、またヘッドスライディングであれば、捕手または野手と接触する前に走者の身体が先に地面に落ちたときは、正しいスライディングとみなされる。捕手または野手が走者の走路をブロックした場合は、本項に違反して走者が避けられたにもかかわらず接触をもくろんだということを考える必要はない。
(2)捕手がボールを持たずに得点しようとしている走者の走路をブロックすることはできない。もし捕手がボールを持たずに走者の走路をブロックしたと審判員が判断した場合、審判員はその走者にセーフを宣告する。前記にかかわらず、捕手が送球を実際に守備しようとして走者の走路をふさぐ結果になった場合(たとえば、送球の方向、軌道、バウンドに反応して動いたような場合)には、本項に違反したとはみなされない。また、走者がスライディングすることで捕手との接触を避けられたならば、ボールを持たない捕手が本項に違反したとはみなされない。
本塁でのフォースプレイには、本項を適用しない。
【原注】 捕手が、ボールを持たずに本塁をブロックするか(または実際に送球を守備しようとしていないとき)、および得点しようとしている走者の走塁を邪魔するか、阻害した場合を除いて、捕手は本項に違反したとはみなされない。審判員が、捕手が本塁をブロックしたかどうかに関係なく、走者はアウトを宣告されていたであろうと判断すれば、捕手が走者の走塁を邪魔または阻害したとはみなされない。また、捕手は、滑り込んでくる走者に触球するときには不必要かつ激しい接触を避けるために最大限の努力をしなければならない。滑り込んでくる走者と日常的に不必要なかつ激しい接触(たとえば膝、レガース、肘または前腕を使って接触をもくろむ)をする捕手はリーグ会長の制裁の対象となる。
【注】 我が国では、本項の(1) (2)ともに、所属する団体の規定に従う。
難しい表現はさておき、大人として確認が必要なのは、(2)の部分だと思うのです。
前記にかかわらず、捕手が送球を実際に守備しようとして走者の走路をふさぐ結果になった場合(たとえば、送球の方向、軌道、バウンドに反応して動いたような場合)には、本項に違反したとはみなされない。また、走者がスライディングすることで捕手との接触を避けられたならば、ボールを持たない捕手が本項に違反したとはみなされない。
と書かれています。
つまり、絶対に「走路を踏んではいけない!」というわけではなく、野手からの送球がズレてしまった場合、走路を踏んでしまうのは仕方がない。でも、「ブロックはしたらダメよ!」と読み取れます。
一番不安に感じているのは、次の様なプレーが増えやしないかという点です。
– 返球がハーフバウンドなのに、走路を踏んではいけないんだという意識が強過ぎて、今立っている場所から下がらずに捕りに行ってしまう
– 返球が3塁ファールライン側にズレているのに、走路を踏んではいけないんだという意識が強過ぎて、手だけで捕りに行ってしまう
主審を担う上で、各大会にて必ず確認しなければならないことが、野球規則ではもう一つ書かれています。
【注】 我が国では、本項の(1) (2)ともに、所属する団体の規定に従う。
この文言は、本当にやっかいで、いっそのこと共通ルール化してほしいです。
攻撃側の監督さんから、「送球がズレたにも関わらず、キャッチャーが走路を踏んだという理由でセーフになるのでは?」とアピールされる場面が多くなると予想します。ですから、キャッチャーとランナー、返球されるボールの方向性、この3点セットをしっかり見届けられる様にならないといけません。
「ブロック禁止」という文言に対して、
ランナーの脚よりも早く捕球できた時、ベースの前でグローブでスライディングを阻止することは認められるのか
についても、審判講習会などを通じて確認していきたいと思います。
シーズンが始まってから、送球がズレた場面で、MLBとNPBのキャッチャー達がどこに立っているのかに注目していきますが、一例として動画を2つご紹介します。1つ目は、新ルールへ対応するため、これからキャッチャーに求められる技術です。
2つ目は、プロ野球の春季キャンプでどんな練習をしているか、垣間見ることができる映像です。
さぁ、2016年の野球はどの様に変わるのでしょうか?
宮前区は、あと1週間で対外試合解禁を迎えます…