川崎宗則選手が所属する、ブルージェイズがリーグ優勝決定シリーズを決めた10月14日の地区シリーズ第5戦。本拠地でレンジャーズを6-3と逆転で下した試合で、信じられないプレーが起きました。
審判のジャッジで攻撃側の得点が認められたのですが、学童野球でも起こり得るプレーだと思いまして、ご紹介します。まずは、実際に起きた状況をご覧ください。
野球規則には、こう書かれています。
【公認野球規則6.03 『打者の反則行為』】(旧6.06)
(a)打者の反則行為によるアウト
次の場合、バッターは反則行為でアウトになる。
(3)バッターがバッターボックスの外に出るか、あるいは何らかの動作によって本塁でのキャッチャーのプレイ及びキャッチャーの守備または送球を妨害した場合。しかし例外として、進塁しようとしていたランナーがアウトになった場合及び得点しようとしたランナーがバッターの妨害によってアウトの宣告を受けた場合は、バッターはアウトにはならない。
これだけだと解釈に困るので、MLBの解説本から抜粋してみます。
【PBUC MANUAL】 – BATTER INTERFERES WITH CATCHER’S THROW BACK TO PITCHER –
If the batter interferes with the catcher’s throw back to the pitcher by stepping out of the batter’s box while he is at bat (no runners attempting to advance), it shall not be considered interference under Official Baseball Rule 6.03 (a). In such cases, the umpire shall call “Time” only (no interference). The ball will be dead and no runners shall advance on the play.
The interpretation does not, of course, give the batter license to intentionally interfere with the catcher’s throw back to the pitcher, and in such cases the batter shall be called out. If the batter becomes a runner on ball four and the catcher’s throw strikes him or his bat, the ball remains alive and in play (provided no intentional interference by the batter-runner).
If the batter interferes with the catcher’s throw to retire a runner by stepping out of the batter’s box, interference shall be called on the batter under Official Baseball Rule 6.03(a).
However, if the batter is standing in the batter’s box and he or his bat is struck by the catcher’s throw back to the picher (or throw in attempting to retire a runner) and, in the umpire’s judgment there is no intent on the part of the batter to interfere with the throw, consider the ball alive and in play.
《拙訳》
全ての走者が進塁の企てていなかった場合に打者が打席を出て捕手の投手への返球を妨害してしまった場合は、公認野球規則6.03(a)における妨害とはしない。このような場合は審判は「タイム」の宣告だけを行い守備妨害にはならない。ボールデッドとなり走者は進塁できない。
この解釈は、打者に故意に捕手の投手への返球を妨害して良いと言っている訳ではないことは勿論のことである。打者の行為が故意ならば、アウトが宣告される。打者が四球を得て打者走者になった後、進塁のために打席を出た際に捕手の送球が打者走者、あるいはそのバットに触れてしまったときは、打者走者が故意に妨害したと判断できない限りはボールインプレイである。
打者が打者席から出て走者をアウトにしようとする捕手の送球を妨害した場合には、6.03(a)により妨害でアウトになる。
しかしながら、打者が打者席内に立っていて捕手の投手への返球や走者をアウトにしようとする送球にその身体やバットに当たっても、審判の判断において打者の側に故意がなければボールインプレイである。
野球規則6.03(a)では、「打者がバッタースボックスを出るか、なんらかの動作によって」捕手の行為を妨害した場合を記しています。ところが、今回のプレーにおいて、バッターは「普通に打席に立っていた」だけで、キャッチャーから投手への返球が偶然バットに当たったため、妨害とはならずボールインプレーで試合は進行していくことになります。バットに当たったボールは、学童野球の場合ボールデットエリアに飛んでいく(転がっていく)ことも想定されますが、いずれにせよ3塁ランナーの進塁は認められる形となります。
フォルコンズの某ヘッドコーチは、常々「座ったまま投げるな!」と注意していますよね?
格好つけたり、立つのが面倒臭くなって座ったまま返球すると、今回の様な事態が起こり得るということです。
まぁ、拙の独り言なんですけどね…