距離感と景色

前回、DeNA筒香選手の応援歌について触れました。
彼が元広島カープの前田智徳氏との対談した際の動画をご紹介します。元々スイッチヒッターだったそうですが、プロ入り後は左打ちに専念し、昨シーズン打率300・本塁打22本という成績を残し、2015シーズンも4番にふさわしい活躍を続けています。彼が、打撃の中で取り組んだことを打ち明けてくれています。以前、「バッターボックスの中で、立ち向かっていくのはボールなんだ(←ココをクリック)」と呟きました。できるだけ避けたいのは、試合で思う様な結果を出せず、「なんのためのグランド練習、自主練だったのか?」と落ち込ませてしまうことです。つい最近、息子に対してバットにボールが当たる瞬間(インパクト)の際、どんな景色で見えているのかと聞きました。プロ選手のインパクトの瞬間をスロー再生で観ることができますが、頭とバットの位置関係や距離感を確かめるためのお手本は、YouTubeに沢山転がっています。前に突っ込んでいるつもりはないと思っても、9分28秒あたりで登場する、過去と現在のスイングの違いを映像を重ねたシーンは、とても判りやすいと思います。この前への突っ込みを直すためにはどうするか?と聞かれたら、恐らく素振りやトス・ティーバッティングなどといった練習と答えると想像します。個人的には、出来るだけボールを使った練習が効果的だと思い、低学年選手はスイングに難があっても、とにかくボールを打つ環境を探してほしいです。というのも、ボールとの距離感をまず知る必要があると感じるからです。ひょっとすると、ボールを捕球する守備も同じことが言えるのかもしれません。グランド練習での目的は、そもそも良いプレーが出来るボールとの距離を覚えるためなのかなと思います。

ここでは、別のことについて考えてみます。練習ではソコソコ良いのに、試合では別人になって打てない選手がいます。また、素振りではキレイなフォームでも、ボールが向かってくると別人のスイングになる選手もおります。残念ながら、打つ量を増やしたとしても、そういう状況は長く続くと感じます。例えば、バッティングセンターの様に何度も打ち直しができる状況と、打席で2ストライクと追い込まれた時とは、プレッシャーの掛かり方が全く異なります。その原因を場数とか強い気持ちという言葉で片付けるにはもったいないので、もう少し考えてみました。傍で観ていると、状況や場面によって距離感が一定でなくなっている気がします。打ち損じの記憶に、バットにボールが当たった時、あるいはボールがバットの近くを通過した時の景色が含まれているとしたら、一度冷静になって頭の中で比較してください。景色が異なるのであれば、距離感はズレているということです。その理由は、ゴルフ雑誌などでよく見掛ける言葉ですが、力感リズムが一定でないからだ思います。力むと力感は一定でなくなります。リズムが早くなった時点で、スイングの開始タイミングが一定でなくなります。
力感は、プレッシャーの掛かる場面チャンスの場面を常に想像しながら、ボールを打つと一定になってきます。リズムは、まずバッターボックスに入ったら、頭の中でリズムを奏でてください。どんな場面でも、同じリズムになれば冷静になれているということも言えますし、タイミングを取るポイント(スタート地点)も毎球一定になります。

スイング軌道や構え、スタンスなどは、グランド練習で監督やヘッドコーチによる指導や指摘を受けることができます。でも、力感リズムは、選手自身によって一定になる様な強い意識が必要となります。言われたことをやっていただけでは、スイングが綺麗になっても、大事な試合でヒットを打ち続けることはまだまだ難しいと感じます。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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