スカウトの目

プロ野球ドラフト会議が、いよいよ明日23(日)に開催されます。実は、昨年のこの時期に、ドラフトの話題を呟いています…

ドラフト選手とスカウト(後編)

さて、各球団とも指名選手の絞り込みに追われ、今日はこの一年で一番眠れない一夜となることでしょう。春先に300人ほどリストアップしたドラフト候補生の中から、半年後にはおよそ5分の1、そして最終的には10人前後まで絞り込むのだそうです。その作業をするにあたり、大きく関わってくるのが、スカウトの目と言われています。
スカウト達の視線の先は、選手だけに限らないのだそうです。例えば、注目選手の試合観戦中、ダグアウトの上の父兄が応援しているスタンドの中に移動し、応援に夢中になっている父兄たちにも注視します。あるスカウトは、「どんなお母さんかなと思ってね。体格、顔つき、態度… お母さんを見れば、その子がどんな子か、大体わかります。直接話をするのは差し障りがあるから見るだけなんだけどね」と言っています。
お父さんではなく、お母さんです……….
スカウト2スカウト1
ところで、今年の夏の甲子園でのこと。卓越した野球センスと技術を持った内野手に対して、スカウトはその選手をリストから外してしまったという記事がありました。その理由が興味深いので引用しますと、彼、凡打で走らないでしょ。一生懸命練習して、それで培ったスイングで打った打球って、たとえ凡打であってもかわいいものなんです。自然と全力疾走しているものなんです。それが結果にしか興味を持たない。野球をゲームとしか考えていないのかなぁ。野球が大好きな選手なら、もっと打球に執着心っていうのか、『ヒットにしたい!』っていう気持ちがあるものなんです。だから、私は彼を推薦しません」と書かれてました。一度でもスカウトの目に止まったほどですから、野球がうまいのは納得できます。ただ、プロ集団の中で台頭していけるかの判断は、野球に対するこだわりの強さを見ているのでしょう。選手に直に接触ができないスカウト達は、自分が注目した選手の素の姿を見たさに、時にはグランドの隣にあるビルの屋上に上がってでも、追い掛けるのだそうです。スカウト達が練習や試合に何度も足を運ぶ理由は、その選手のプレーだけではなく、野球を通して見えてくる人間」の部分を見極めるためだと感じます。

今回は、スカウトに焦点を充てました。学童野球の選手達は、「今日は試合に出られたとか、ヒット1本打った」という目先の結果を欲しています。それ自体、悪いことではありません。確かに誰にでも判る結果であれば、皆で喜びあえますからね。でも、選手達の指導にあたるフォルコンズ・コーチ陣は、目先の結果よりも「先週できなかったプレーや動きを、繰り返し練習して、チャレンジした結果、今日はできる様になった」という小さな実績をより大切にしています。小さな実績に至る過程での選手の頑張りは、プロのスカウト達もグランドに顔を出す大人達も一番見届けたい瞬間だと思います。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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