9回2アウトから

「野球は9回2アウトから〜という言葉を一度は耳にされているかと思います。勝負が完全に決着するまで油断するな、諦めるなという意味が込められている様です。
この夏の甲子園では、3日の間に2アウトランナーなしからの逆転劇が2度ありました。
まずは、神村学園(鹿児島)vs 明豊(大分)の試合です。

この試合では9回に3点差を神村学園が追い付き、12回に勝ち越しとなる3点をもぎ取り、あと1つアウトを取ればベスト4に駒を進める事ができました。

翌々日には、仙台育英(宮城) vs 大阪桐蔭(大阪)が1点を争う好ゲームを演じ、最終回に逆転劇が起こりました。

この試合、2アウトランナー1・2塁で仙台育英の若山選手が打ったショートゴロで誰もが3つ目のアウトを確信した筈ですが、ファーストを守る大阪桐蔭の中川選手の脚がベースから離れてしまった事で、次打者のサヨナラ2塁打を呼び込む結果を招きました。
個人的には、この中川選手にはトラウマが襲ったと想像します。トラウマとなったシーンは、この試合の7回裏に伏線と思われるプレーが起こりました。

さて、この2試合を改めて観る時、勝利を願っていたチームと逆転を祈り続けるチーム、どちらの気持ちで応援していますか?逆転負けを喫したチームには申し訳ないですが、逆転劇を演じた攻撃側選手達の立場になって観るのも良いかもしれませんね…

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プレイの根拠

平日も休日も高校野球をオンタイムでじっくり観る機会が少ないので、毎晩ダイジェスト番組をチェックする日々です。
熱戦が繰り広げられていますが、1回戦でこんなプレイがありました。

第2日目の第4試合、日大山形 vs. 明徳義塾(高知)の一戦は延長戦となり、明徳義塾が延長12回に3点を勝ち越し、粘る日大山形を振り切ったという試合です。2アウトランナー1、2塁から4番谷合選手が放ったショートへのゴロが相手の悪送球を誘い、1点を勝ち越しました。さらに、2、3塁の場面で5番今井選手が2点タイムリーを放ちました。

勝ち越しを許したのは、ショート鹿野選手の悪送球でした。後逸や悪送球が失点につながりやすい場面です。無理をしなくても良いと観る事もできますよね?内野安打にして、2アウト満塁に留めて、この試合ノーヒットの5番打者と勝負しても良かったと考える事もできます。鹿野選手のプレイが無謀だとか無駄と解釈するのかどうかは、指導の仕方だと感じました。
学童でも、ノックで似た様な打球を捕って、無理な体勢から1塁や2塁に送球する選手が沢山います。それは練習の中での挑戦ですから、その一瞬の失敗を責められる事はありません。

挑戦するという事

基本は、打球を捕って近いベースでアウトにする事ですから、守備範囲も広く、ある程度地肩が強いレギュラー選手に対する悪送球は、尚の事責める機会は少ないと思います。ですが、もし実際の試合で同じ様なシチュエーションだった場合、そのプレイをどう評価するのでしょうか?

今回プレイした鹿野選手は、チームの中で競争を勝ち抜き、甲子園出場を果たしているのですから、基本的な守備力は相当高いです。なので、あのプレイの根拠を是非聞いてみたいと思いました。なぜ、無理な体勢から送球しなければならなかったのか、送球を諦める選択肢は頭になかったのか…

我々大人は、試合になれば単なる観戦者になりますので、幾らでも感想は述べられます。ファインプレイとかスーパープレイというのは、1つ間違えれば失点にもつながるギリギリのプレイです。でも、あの捕球体勢からアウトにするために高校3年頑張ってきたのであれば、誰も責められないと思います。別の言い方をすれば、何らかの根拠の下、あの場面であの送球を試みたのであれば、その挑戦に拍手を贈りたいと思います。

まぁ、拙の独り言なんですけどね…

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